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気づいた時にはもう遅い「求人詐欺」が就活・転職を台無しにする

2016年4月20日 09時50分 ライター情報:香山哲
求人詐欺というのがある。知らないうちに被害にあっている人も多い。

「求人詐欺」やり放題の国・日本


就活や転職の時におなじみの「求人票」。業務内容や勤務地、給与など、さまざまな条件が書かれていて、これを基準にして仕事を探すはずだ。

だが日本では、求人票に「ウソ書き放題」な状況が続いてしまっている。高い給与などの待遇で優秀な人を集めることができないから、ウソで釣るのだ。もちろん違法だが、野放しになっている。

こうした状況について書かれているのが『求人詐欺 内定後の落とし穴』という本だ。
『求人詐欺 内定後の落とし穴』今野晴貴/幻冬舎

優秀な人間を激安で買い、使いつぶす詐欺企業



わかりやすい例をあげると、「月給25万」などと書いておきながら、いざ入社してみると「残業代込みだった」みたいな感じ。気付いた時には遅く、「就活シーズンが終わってしまっていて、もう別の会社を探す時間がない」とか、「転職のためにもう辞表を出してしまっていて無収入状態」といった弱みを狙ってくる。

勤め始めたらとんでもないブラックで、「こんなことなら月給18万でもちゃんと残業代が出る会社のほうが断然収入もよかった」なんてことも多い。ブラックな会社ほど、だまさないと人が集まらないし、「なんとか手当」とか謎な概念を駆使して「社畜なんて納得させて諦めさせれば勝ち」ぐらいに思っていたりする。

さらに最悪な場合、「使いつぶすことを前提に、人間を大量に釣る」会社もある。過労死を起こすような仕事を強いたりする事例も。

求人詐欺への必勝法


本書は「ウソ」や「脅し」で被害にあったケースを紹介したり、その特徴などをたっぷり書いているが、恐ろしい事例をただ並べて「不安をあおる」のが目的ではない。

むしろ逆で、「こんなに酷い事例の数々でも、きちんとしたステップを踏めば必ず勝てる」というスタンスなのだ。

どんな邪悪な求人票があるのか、どうやって見分けるのか、だまされてしまったらどう戦うのか、だまされる確率を減らすにはどうするのか。それらが章ごとに書かれている。

企業との対立は「特別なこと」ではない


なんとなく、「企業に立ち向かう」というのはとても大変なことに思えるし、強くて賢くないと無理な気もする。だけど法律は、労働者の立場の弱さを考慮して作られている。意外と勝てるのだ。

志望のきっかけとなった求人票や契約書を写真にとっておいたり、面接を録音する(何も悪いことではない)。勤務時間をメモでもいいから記録しておく。

ライター情報

香山哲

漫画やゲームを制作するチーム「ドグマ出版」主催。著作に『ランチパックの本』や『香山哲のファウスト1』(文化庁メディア芸術祭推薦作品)など。

URL:Twitter:@kayamatetsu

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