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『ビートたけしと北野武』タモリ派の著者がクールに掘り起こすたけしにたけし派の俺が思ったこと

2017年3月20日 10時00分 ライター情報:寺西ジャジューカ
俺がいちばん、たけしを好きだ。“たけし派”は皆、そう思っている。たけしを分析する書籍は数多あるのだが、結局そのほとんどはたけしへのラブレターでしかない。データを元に客観的に分析しようと試みたものの、どこかに必ず恋文の匂いが漂ってきてしまう。

2015年に出版された『タモリと戦後ニッポン』にて一躍名を馳せた近藤正高氏が、今月新たに発表した本のタイトルは『ビートたけしと北野武』
『ビートたけしと北野武』近藤正高/講談社
青が彩られたデザインは、なんと「キタノブルー」を表したものだそう。

私は著者と微かながらも親交があるのだが、彼は生粋の“タモリ派”である。私とは一学年しか違わなく、そしてこの世代でタモリの方へ“付く”タイプは実は極めて珍しい。我々が自我を作り上げるためスポンジのごとく文化を吸収していた中高生時代、今振り返るとタモリは紛れもなく“暗黒期”に差し掛かっていた(この辺は『タモリと戦後ニッポン』を参照していただきたい)。だからこそ、氏の嗜好は余計に生粋なのだ。

そんな彼が手掛けた“たけし本”。その語り口は、極めてクールである。そして、よく切れるナイフを見るような気持ち良さがあった。

シンパをエクスタシーさせる「たけし」と「大久保清」の対比


繰り返すが、今回の本のタイトルは『ビートたけしと北野武』。要するに、たけしが持つ二面性に迫る一冊である。「振り子の理論」を事あるごとに唱えるたけしを知る我々からすると、非常に腑に落ちる観点だ。
今回、たけしの人物像を掘り起こす材料として用いられたのは、彼が演じてきた現実の人物や事件を題材とするドラマ等の映像作品。

パッと頭に浮かぶのは大久保清や金嬉老であるが、立川談志や三億円事件犯人といった近年の作品における役柄も同書では触れられている。
中でもまず最初に取り上げられたのは、やはり大久保清であった。

ベレー帽をかぶり、大久保清を演じるたけしの姿形を、筆者は「どうにも滑稽だ」と断じている。とは言っても含みもなく「格好悪い」と揶揄しているのではなく、それっぽいアイテムで芸術家を気取る浅はかさを指して「滑稽だ」と評すのだ。
ツービートの漫才が「ブス」や「田舎者」を攻撃するものであることはおなじみだが、そこには“下品さ”を忌み嫌うたけしの性質が含まれている。言ってしまうと、コンプレックスの裏返しで芸術家になりすましてしまった“大久保清的なるもの”がツービートの攻撃対象であった。そして、この性質がたけしを役者活動、ないしは映画製作に駆り立てたと著者は指摘している。

ライター情報

寺西ジャジューカ

1978年生まれ。ブライアン・ジョーンズとビートたけしと前田日明と大江慎也と有吉弘行と篠田麻里子が好きです。ブライアン・ジョーンズと菅井きんと誕生日が一緒。

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コメント 1

  • 匿名さん 通報

    笑える。人の人生や考えが客観的に他人が分析して答えが出るほど明確な根拠なんて無く、殆どが無意識と偶然の産物じゃないんでしょうか。あとずけの分析なんぞジャンケンの後出しと同じだろうに。

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