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第4回日本翻訳大賞は、1200ページ超えの大著『人形』と人気の韓国文学『殺人者の記憶法』

2018年5月13日 09時45分 ライター情報:辻本力
2018年4/28(土)、デジタルハリウッド大学駿河台ホールにて、第4回日本翻訳大賞授賞式が行われた。

翻訳書の振興を目的にスタートした同賞も、今年で4年目。チケットは、数日前の段階ですでにソールドアウトと、すっかり人気イベントだ。
写真:tatsuki nakata

第4回の大賞受賞作は、『殺人者の記憶法』(キム・ヨンハ/吉川凪訳 CUON)、

『人形』(ボレスワフ・プルス/関口時正訳 未知谷)の2作。

今回も金原瑞人、岸本佐知子、柴田元幸、松永美穂、西崎憲という、日本を代表する翻訳家たちが選考委員として集結。ゲーム作家/ライターの米光一成の司会のもと、恒例の西崎バンドの演奏を皮切りに授賞式はスタートした。

今年もインターナショナルなラインナップに


まず、本賞の基本的な流れはこうだ。

前年に刊行された翻訳書のなかから、一般からの推薦作上位10作&選考委員推薦作5作の計15作が二次選考の候補作となり、それを選考委員が手分けして読み、最終候補を5作にまで絞る。そして選考会を開き、大賞を決定する。

西崎 本賞には3つの評価軸があると思っています。1つ目は翻訳の正確さと、そこに+αの芸があるかどうか。2つ目は、作品自体が面白いかどうか。3つ目は、日本の読者に紹介する意義があるかどうか。この3つのバランスを取るのが難しいですね。

ちなみに今回は、10位が4冊あったため、二次の候補作は計18冊にのぼった。また回を重ねるにしたがって、本のジャンルや内容、言語などもよりバラエティに富んだものになりつつあるという。

金原 今年は、『嘘の木』(フランシス・ハーディング/児玉敦子訳 東京創元社)、『サイモンvs人類平等化計画』』(ベッキー・アルバータリ/三辺律子訳 岩波書店)といったヤングアダルト小説も候補作に入ってきた。これは、本賞において新しい流れですね。

松永 『マッドジャーマンズ  ドイツ移民物語』(ビルギット・ヴァイエ/山口侑紀訳 花伝社)のようなグラフィック・ノベルも入ってきて、よりラインナップに幅が出てきた感じがあります。

金原 英語圏はもちろんのこと、韓国、中国、台湾といったアジア圏の作品もあれば、イタリア、スペイン、カザフスタン、イラク、ポーランド……と、じつにインターナショナルなラインナップになりましたね。

そして、最終選考まで残ったのは以下の5作(☆マークは大賞受賞作)。

『オープン・シティ』(テジュ・コール/小磯洋光訳、新潮社)
『殺人者の記憶法』(キム・ヨンハ/吉川凪訳、CUON)
『死体展覧会』(ハサン・ブラーシム/藤井光訳、白水社)
『人形』(ボレスワフ・プルス/ 関口時正訳、未知谷)
『ビリー・リンの永遠の一日』(ベン・ファウンテン/上岡伸雄訳、新潮社)

翻訳を通して、作品と「出会い直す」


続いて、受賞作の評価へと話は進む。

ライター情報

辻本力

編集者・ライター。〈生活と想像力〉をめぐる“ある種の”ライフスタイル・マガジン『生活考察』編集発行。企画立案からインタビューまで、いろいろやります。

URL:「生活考察」編集日記

「第4回日本翻訳大賞は、1200ページ超えの大著『人形』と人気の韓国文学『殺人者の記憶法』」のコメント一覧 1

  • 匿名さん 通報

    このところ異様にゴリ押し感が増してるね。

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