今注目のアプリ、書籍をレビュー

1

今夜はバルス祭り! 風車で解く「天空の城ラピュタ」オープニングに隠された物語とは

2011年12月9日 11時00分 ライター情報:オグマナオト

「THE ART OF LAPUTA(ジ・アート・オブ・ラピュタ」アニメージュ編集部編/徳間書店
「天空の城ラピュタ」のメイキングアートブック。イメージボード、初期設定、キャラクターなどファン必見の情報が満載。メモは宮崎駿監督の手によるもので、若かりし頃の女海賊ドーラ船長のイラストとか、ドーラ船長の設定が50歳だとか、裏設定もふんだんに盛り込まれています。

[拡大写真]

今夜はみんなで「バルス祭り」! 
数ある映画作品の中でもとりわけ有名な「天空の城ラピュタ」のエンディング。でも、その反面オープニングがどんなだったかって憶えていますか? ドーラ一家の襲撃に遭遇し、逃亡劇の末に飛行船から地上に落ちて行くシータ… そこからオープニングクレジットが始まるのですが、実はオープニング曲がエンディングで流れるテーマ曲「君をのせて」と同じメロディだったりとか、意外と気づいてない方も多いのではないでしょうか。詳しくは今夜の金曜ロードショーでぜひ確かめていただきたいのですが、そのオープニングで描かれているのが「風車と共に歩んだラピュタ王国の歴史」なんです。
本編放送を前にをちょっとご紹介したいと思います。

荘厳な叙事詩を想起させるオープニングでまず登場するのが「チャスカー風車」と呼ばれる小さな風車。草思社編『風車』によると、チャスカー風車とは1634年にオランダに住むシモン・フルスボスという人が特許をとった簡易排水風車。世間的にイメージするタワー型の巨大風車とは異なりますが、ヨーロッパではその簡単な作りから広く普及していたようです。このシーンでは煙りが出ていることから“風車による工場作業用の動力”として使われていることがわかります。
次のカットでは羽の枚数も5枚に増え、より複雑に大きなチカラを生み出す動力源として風車が使われ、その力によって人類は大地を掘り進めます。そして大地の富を奪い取り火も自由に操れる様になると風を使わない風車を生み出します。以降、風車は風を受ける存在からプロペラとして自ら回転してエネルギーを生み出す存在になり、飛行機を発明した人類は空へと向かい遂に「ラピュタ王国」を形成します。しかし、天の怒りか人々の争いか、空の城は次々に落ち、人類は地上へと戻ってくるのです。地面に追突し折れ曲がる風車の羽の痛々しい描写とともに、地上へと戻ってきた人類が散り散りに各々の土地に移り住み、ラピュタ本編の時代へと繋がっていくことがわかります。オープニングの最後に登場するのがまたチャスカー風車。そのチャスカー風車のそばに立つシータと牛。この光景から、工業用ではなく排水用の動力として風車が使われていることがわかります。そして恐らくこの直後、ムスカにさらわれたのではないでしょうか。

わずか90秒ほどのオープニングで「ラピュタ王国の誕生から崩壊」までが描かれ、その過程において風車がどう変貌を遂げてきたのかが描かれているのです。

ライター情報

オグマナオト

福島県出身。『週刊野球太郎』『web R25』を中心にスポーツネタ、野球コラムを寄稿。構成した本に『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』『福島のおきて』など。

URL:Twitter:@oguman1977

コメント 1

  • わお 通報

    そこまで、じっくりと見てませんでした、先日のラピュタは、見直せませんので、次回に、オープニング90秒風車に注目し視聴します。細かく、見てたつもりでしたが、まだ見所を見逃してたんですね。しかし深い

    1
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!