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メタルギアソリッドV 「未完成説」の核心に迫る

2015年12月16日 18時40分
ストーリーの展開をめぐりネットで議論になっているゲーム『メタルギアソリッドV ファントムペイン』について、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが語り合います。

ゲームでしか体験できない経験、批評性



藤田 『メタルギアソリッドV』は、世界的に幅広くプレイされ、高く評価している小島秀夫監督のゲームです。ちょうどつい先日(12月4日)The Game Awards という世界最大級のゲームの賞で、ベストアクション賞と音楽賞の二部門受賞という快挙を達成されました。世界全ての作品が対象だから、これはすごい。
 簡単に説明すると、潜入ステルスアクションゲームが、『メタルギアソリッド』シリーズですね。今回は、色々と話題の『V』について、多少はネタバレありで語っていきたいと思います。

飯田 『MGS』は何が凄かったか。いろいろありますが、「日本人が本格的なスパイアクションを作れる」なんて海外の人間には思われていなかったところに、ゲームというかたちでつくりあげ、初代『MGS』のころから「世界最高のストーリーテリング」と世界的に称賛されていました。
 単純にアクションゲームとしておもしろいだけでなく、遺伝子工学や生殖医療、VRを使った軍事訓練、内戦と少年兵、メディアコントロール等々といった現代社会がいま抱える問題を、ゲームを通じて「君ならどう感じる? どう考える?」と体感させてきた。

藤田 『MGS1』のときに、リアルタイムレンダリングのポリゴンで、映画的なカメラワークをやったんですよね。ストーリーも、どんでん返しなどが多くて、凄かった。「反戦・反核」を基本テーマに、歴史や戦争などの重いテーマも扱っているわけですね。
『MGS2』は、『MGS1』の内容をシミュレーションとして訓練してきた「雷電」という人間が主人公で、途中でゲームがバグったみたいになって、「現実とは何か」「情報統制と思想のコントロール」のテーマを、ゲームプレイそのもので体験させるという凄まじい作品で、これが世界的な評価を一気に高めました。ぼくもこれで、シビれた。
 『メタルギア』の面白さは、映画的な演出、ステルス潜入のスリル、そして予想もつかない大どんでん返しの繰り返しというストーリー、そして飯田さんが仰ったようなSF的なテーマやガジェットで、そして何よりも重要なのは、「ゲームというメディアでしか体験できないこと」を味あわせてくれることですね。
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