明日10月2日(日)、TBS系列で18時55分から放映される『キングオブコント2016』(以下、KOC)。今年も激戦を経て、2510組のなかから選ばれた10組の決勝出場者が生放送でしのぎを削る。
今回はこの10組のうち、注目すべきコンビなど、見どころを少しお知らせしたい。
10/2キングオブコント、しずるVSライス因縁の同期対決など見どころ徹底チェック
2013年チャンピオンのかもめんたるが再チャレンジする

しずるVSライス、因縁の同期対決


2009、2010、2012年に続き、KOC決勝には4年ぶり4回目の登場となるしずる。発表の際、村上が自分たちのときと同じくらい喜んだ相手こそ、今回決勝初進出となるライスだ。
しずる、ライスはともに吉本興業の経営する養成所、東京NSCの同期。面接のグループから同じだったといい、以来親しくしている仲。しずる池田が以前、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔とコンビを組んでいたことは知られた話だが、解散後の池田と村上の間をとりもったのがライスの二人とも言われている。二組でトークライブ「阿佐ヶ谷ケチャップナイト」を不定期開催していたほか、ともにコントユニット「東京シュール5」のメンバーでもある。

しかし、ふた組のこれまでの道のりは大きく違うものだった。しずるがテレビに出演し知名度を上げていっても、ライスは周りからの評価は高かったものの「知る人ぞ知る」存在をなかなか抜け出せないでいた。その二組の足並みが今年、やっと揃う。
準決勝ではそれまでの空気をがらりと変えた4分間のショーを繰り広げ、万雷の拍手を浴びたしずる。関町(メガネをかけた方)の突飛な行動が笑いを増幅させるネタを披露したライス。KOC決勝のネタ順は、しずるではじまり、ライスで終わる。
同期の盟友同士の対決は今年の大きな注目ポイントだ。

みたびのSMA旋風なるか? だーりんず


決勝初進出のだーりんずは、ともに39歳の"若手ベテラン"だ。芸歴17年(コンビ歴は6年)の彼らの決勝進出には、周りの芸人たちが手放しで喜ぶようすがひときわ目立っていた。
だーりんずの所属事務所SMAは、ここ数年勢いがある。KOC2012のチャンピオンであるバイきんぐ、今年のR-1ぐらんぷりで圧勝したハリウッドザコシショウと、芸歴の長い芸人たちが次々と評価され、表舞台に躍り出てきた。
また、だーりんずの松本りんすは伊集院光に「一年だけ」という期限つきでカツラを提供されている。SMAの仲間たちに、伊集院光に期待されている若手ベテラン。
決してテレビでの知名度が高いとはいえないながらも、芸人仲間や大物らには評価されているところも、優勝したときのバイきんぐやハリウッドザコシショウと共通している。だーりんずは果たしてここに続けるか。

王者ふたたび、かもめんたる


今回、2013年のKOCで優勝を果たしたかもめんたるが再び決勝にやってきた。優勝後の彼らはケラリーノ・サンドロヴィッチにその演技力と存在感を評価され、ナイロン100℃の本公演に二人揃って出演したり、「劇団かもめんたる」というユニットを立ち上げ、物語づくりと演技力にさらに磨きをかけたりと、地道に爪をとぎ続けている。先日放送された「オワライターズ」(フジテレビ)で、おかずクラブ相手に作り込んだネタを提供し、厳しく演技指導する岩崎う大の様子も記憶に新しい。
二度目の優勝に注目されがちだが、今回はそうやって磨きをかけ続けてきた彼らのネタ、演技そのものを楽しみたい。

10組それぞれにドラマがある


準決勝では頭にこびりつくフレーズで大爆笑をかっさらったななまがりも、決勝初登場。観客の投票で勝ち負けが決まるリーグ戦の大型ライブ『ドッカン! ドッカン!』ではなかなか勝てず、負けがこむことを「ななまがり現象」と名付けられるなど散々な結果だったが、それでもそのときからウケ自体は抜群だった。
もともと関西で活動していたが、2014年東京進出後は精力的に単独ライブを重ね、ファンを着実に増やしてきた。

ジグザグジギーは二度目の決勝進出。2013年の決勝ではコント披露の真っ最中に「心がぽっきり折れる音が聞こえた」という。その後のライブでKOCの映像を振り返り、心が折れた瞬間を検証する企画などもやっていたほど。今回は三年ぶりのリベンジとなる。

ほかにも、塚本の怪我を乗り越えて決勝に返り咲いたラブレターズ、漫才でもコントでも高い評価を受けつつも無冠のタイムマシーン3号、大阪では人気も実力も抜群ながらやっと決勝進出を果たしたかまいたち、斉藤が注目されがちだが去年に引き続きしっかり決勝にあがってきたジャングルポケットと、それぞれのコンビにさまざまなドラマがあり、応援する人がいる(ここまで書いておいてなんだが、ネタ直前のVTRで過剰にウェットなのだけは勘弁してほしいけれど)。


終わったあとの楽しみ方もある


賞レースには、賛否両論がつきもの。審査結果と自分の感覚がぴったり重なった人も、そうでない人も、観たあともたっぷり楽しめるのが賞レースのよさだ。KOC後は以下の媒体をチェックすると、KOCをより深く楽しめるはずだ。

芸人たちのラジオ


審査員を務めるバナナマンのラジオはもちろん、「爆笑問題のカーボーイ」や「伊集院光の深夜の馬鹿力」などでも、KOCについて触れられる可能性がある。また今秋からちょうど、アルコ&ピースやハライチ、うしろシティら決勝進出者と同世代の芸人たちのラジオもはじまった。彼らが大会をどう観たかも、聞けるかもしれない。

KOC準決勝の常連である。
インスタントジョンソン じゃいのブログでは毎年、ひと組ずつの冷静な講評を読むことができる。
明日の夜には結果が出るKOC。お祭りをしっかり楽しもう。
(釣木文恵)