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今夜金曜ロードSHOW「耳をすませば」の聖司は本当にストーカーなのか。原作と比べてみた

2017年1月27日 11時00分 ライター情報:アライユキコ
制作から20年、青春恋愛ドラマの決定版「耳をすませば」が本日オンエア。
うかつに観ると、ストレートな青春が眩し過ぎて苦しくなる、と悲鳴があがるくらいの傑作。

「お前さぁ、コンクリートロードはやめた方がいいと思うよ」

今回は、天沢聖司役の声優・高橋一生、本格ブレイク後の初オンエアとなる。
高橋はこの時、14歳。まだ少年の声を聞かせてくれる。収録直後に変声期を迎えたらしい。
今季注目のドラマ「カルテット」(第1話レビュー)で、聖司と同じ弦楽器(バイオリンではなくヴィオラ)を弾いている。
途中で骨董屋・地球屋の主人ら3人と共に「カントリーロード」を演奏するシーンがあり、「カルテット」である(タンバリンやコルネット、リコーダーがまじってて、弦楽四重奏ではないけど)。
しかも、ドラマ「カルテット」にはもたいまさこ、「耳をすませば」には室井滋(主人公月島雫の母・朝子)が出演。「やっぱり猫が好き」な組み合わせ。猫といえば「耳すま」では重要な役目を担う存在……!

さて、妄想はこれくらいにして、「耳をすませば」である。
この映画には原作の少女漫画がある。

映画化のきっかけは、宮崎駿(脚本・絵コンテ・制作プロデューサー)が、夏合宿の山小屋で、親戚の子が残していった「りぼん」を読んだことと言われる。その中に連載中の柊あおいの「耳をすませば」があったのだ。
大まかなストーリーは同じ。だが、映画化でかなりのアレンジもされている。変更点から「耳すま」の魅力に改めて迫ってみたい。

聖蹟桜ケ丘、ではない?


映画の舞台である杉の宮の町や駅のモデルが、非公式ながら聖蹟桜ケ丘なのは有名な話。雫たちのつかう最寄駅の向原は、踏切の位置などから、聖蹟桜ケ丘の隣駅・百草園駅だとされている。しかしこれは映画版の聖地。原作では、京王線もファミリーマートも愛宕団地も天守台もいろは坂も金比羅神社も大栗川も第一勧銀も出てこない。

原作には「県立」向原中学校と明記されているし、あとがきには「小中学校生の頃、毎週楽しみに通っていた県立図書館、いつかそんな本好きの女の子の話を描きたいとずっと思っていた」とある。つまり、原作の舞台は作者の柊あおいの故郷、栃木の壬生町と考えるのが自然である。(映画では市立図書館になっている)。

雫に「コンクリートロード」で「森を伐り、谷を埋め」と、自由な訳をさせたり、答案用紙に「開発」と書かせたり。その映画の冒頭、オリビアニュートンジョンの「カントリーロード」にのせて映しだされる夜景は、「平成たぬき合戦ぽんぽこ」で、森が拓かれた後のラストシーンと全く同じ景色なのは有名な話だ。

ライター情報

アライユキコ

フリー編集者。『文学賞メッタ斬り!』(パルコ出版)『ふいんき語り』シリーズ(ポプラ社など)など。「エキレビ!」編集長。お酒とお笑い、演劇大好き。

URL:Twitter:@kaerubungei

コメント 2

  • 匿名さん 通報

    愛がすごい!

    1
  • 匿名さん 通報

    昨日りぼんのイベントリポートがあったけど、これもまたりぼん全盛期の作品だったんだな。連載当時はほとんど話題にはならなかったが…。

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