2017年は日本でアニメが初めて公開されてから100周年の記念すべき年。そこでNHKは「ニッポンアニメ100」と題して、視聴者による投票で「ベスト・アニメ100」「ベスト・アニソン100」を選出するとともに、アニメ関連の特番をいくつも企画している。

庵野秀明、押井守、富野由悠季…凄いクリエイターたちがアニメを語る「ニッポンアニメ100年史」今夜
「ニッポンアニメ100」公式サイトより

その中の一つが、今夜7時からBSプレミアムで放送される『クリエーターたちのDNA~ニッポンアニメ100年史~』だ。

ちょっと地味目なタイトルだが、インタビュー出演者の顔ぶれがとにかくすごい。すごすぎる。

荒木哲郎(『進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』監督)
庵野秀明(『エヴァンゲリオン』シリーズ、『シン・ゴジラ』監督)
いしづかあつこ(『ノーゲーム・ノーライフ』『ハナヤマタ』監督)
大友克洋(『AKIRA』『スチームボーイ』監督)
押井守(『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』監督)
小田部羊一(『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』キャラクターデザイン・作画監督)
笹川ひろし(『タイムボカン』シリーズ総監督)
佐藤順一(『美少女戦士セーラームーン』『ケロロ軍曹』監督)
杉井ギサブロー(『タッチ』『銀河鉄道の夜』『あらしのよるに』監督)
鶴巻和哉(『フリクリ』『龍の歯医者』監督)
富野由悠季(『機動戦士ガンダム』総監督)
寺本幸代(『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち』『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』監督)
長井龍雪(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』監督)
米林宏昌(『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』監督)

まさに戦後の日本アニメの歴史を支えてきた錚々たる顔ぶれである。最年長、80歳の笹川ひろし監督の初監督作は1965年の『宇宙エース』だったりする。
今から52年前!

で、この凄まじいメンツがインタビューで何を語るのかというと、「自分に影響を与えたアニメについて」なんだから見逃せない。まさに自らの「DNA」について語るわけだ。彼らの証言をもとに、日本のアニメ100年の歴史が紐解かれていく。番組では、現存する最古のアニメ『なまくら刀 塙凹内名刀之巻』も紹介されるという。

残念なのは、この番組が60分しかないところ。14人で60分というのは短すぎる。
インタビュー内容を生かして1人1時間×14本作ってほしい! 

番組のナビゲーターは、乃木坂46の松村沙友理と俳優の渡部豪太。ゲスト解説者として、アニメ評論家の藤津亮太が出演する。ナレーションを務めるのは“プロが選んだ声優総選挙第1位”の山寺宏一。

ちなみに松村紗友理が一番好きなアニメは『涼宮ハルヒの憂鬱』で、山本寛監督の作品から影響を受けているそうだ。

今は大量にアニメが放送されており、それを追っかけるのに精一杯で、アニメファンといえども、なかなか過去の作品を遡って見られないのが現状。今回の番組をヒントにして、過去の名作に触れてみるのもいいかもしれない。

(大山くまお)