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「やすらぎの郷」第3週。これがシニア層のリアルなのか? コメディ路線から突然の神風特攻隊

2017年4月24日 10時00分 ライター情報:北村ヂン
じーちゃんばーちゃんたちがウダウダくっちゃべってるだけで、全然ストーリーが進展しないじゃん!

……なんて文句を言いつつも、妙なパワーを放っているドラマの世界に引き込まれてしまい、今期最大の注目作となっている倉本聰・脚本のシルバータイムドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日・月〜金曜12:30〜)。

第2週は石坂浩二が、次々登場する老女優たちにモテまくるハーレム系ギャルゲーのような展開だったが、第3週は「姫」と呼ばれる伝説の大女優・九条節子を演じる八千草薫の魅力大爆発な週。
イラスト/北村ヂン

86歳の八千草薫がかわいく見えるよ……


最近亡くなった伝説の時代劇役者・大村柳次郎の遺族から九条摂子が形見分けとしてもらった絵が、実は横山大観のスケッチではないかということが判明。

テレビの「何とか鑑定教室」にも出ていた菊村栄(石坂浩二)の見立てでは、本物だったら5〜6000万円にはなるんじゃないかという。

さすがにそんなに高価なものをもらうわけにはいかないので遺族に返さなくては……と主張する、どこまでも上品な九条摂子に対して、ザ・下世話老女のお嬢(浅丘ルリ子)やマヤ(加賀まりこ)は「もらっときなさいよ!」とたきつけ、もらう・もらわないで大騒ぎとなる。

結局、遺族の方も「一度差し上げた物を返してもらうわけにはいかない」ということで押し付け合いになり、ひとまず正式な鑑定に出すことになるのだが、ちょいちょい「やっぱりもらっておけば……」という顔を出す九条摂子が、妙にかわいらしかった。

設定上は戦前から女優として活躍していたという……そして演じる八千草薫自身もリアルに86歳だというのに! レジェンド級の役者陣の実力はやっぱりスゴイ。

いきなりのハードすぎる戦争話についていけない!


そんな、形見をもらうかもらわないか騒動と同時進行していたのが「濃野佐志美」は誰か問題。

「こいのさしみ」というペンネームを聞くとどうしても、さくらももこの再婚相手である絵本作家・うんのさしみを思い出してしまうのだが、本作の濃野佐志美は正体不明の女流作家らしい。

以前、三井路子(五月みどり)が菊村に提案していた、女が一生のうちで経験する3つのターニングポイント……、

・誰かに処女を捧げるとき
・男にお金で買われるとき
・もう誰からも振り返られなくなって、自分がお金を出して男を買うとき

を描いた舞台の企画。

提案者の三井を差し置いて「やすらぎの郷」の老女優たちがこぞって「自分が主演をやる!」と言い出すくらい面白そうな企画なのだが、これとほぼ同じ話を濃野佐志美が小説「老女たちの春」として発表したことから、濃野佐志美は「やすらぎの郷」内にいる誰かで、企画をパクッたのでは……と噂されているのだ。

ライター情報

北村ヂン

群馬県出身。ライター&イラストレーター。珍奇でバカでサブカルチャーなものが主な取材対象。「デイリーポータルZ」や「日刊サイゾー」などで執筆中。

URL:Twitter:@punxjk

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