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昭和モダンな「悦ちゃん」1話。天才子役・平尾菜々花の魅力爆発、ドラマファンは気づき始めている

2017年7月22日 11時00分 ライター情報:大山くまお
NHKで夕方6時5分から始まる「土曜時代ドラマ」。地味な時間帯だが、意欲的な企画が続いており、ドラマファンから熱い注目を浴びている。

先週からスタートしたのは、ドラマ『悦ちゃん 昭和駄目パパ恋物語』。サブタイトルにあるように、舞台はモダンな昭和10年。これも立派な「時代ドラマ」なのだ。全8回。
原作

悦ちゃんは朝ドラ第1作のモデル!


『悦ちゃん』のおおまなかあらすじは、妻をなくした売れない作詞家を父に持つ10歳の少女・悦ちゃんが父の再婚のために奮闘するというもの。

原作は戦前、戦後をまたいだヒットメイカー、獅子文六。『悦ちゃん』は彼がはじめて手がけた新聞連載小説で、大ヒットして何度も映像化されている。

獅子文六が留学時代に結婚したフランス人の妻に先立たれた獅子文六の娘がモデルであり、彼の子育てを描いた自伝的小説『娘と私』は、なんとNHK朝の連続テレビ小説の記念すべき第1作になっている。『悦ちゃん』が朝ドラになっていてもおかしくなかった!

さて、先週から始まった『悦ちゃん』。赤いスカートで登場したおかっぱ頭の主人公・悦ちゃん(平尾菜々花)は“江戸っ子になったちびまる子ちゃん”といった風情。お金のない父親の碌さん(ユースケ・サンタマリア)を「甲斐性なし」と糾弾するヤンチャっぷりだ。

貧乏を嘆く悦ちゃんに碌さんは、チャップリンの言葉「下を向いてちゃ虹は見えない」を語ってきかせるが、悦ちゃんのセリフがふるっている。

「チャップリンはアメリカの喜劇王じゃないか。銀座どころかハリウッド、タクシーどころかリムジン、チョコレートどころかビフテキでおなかいっぱい! 下なんか見ることないよ!」

思わず無言になった碌さんだったが、「虹が出た」と悦ちゃんをダマして得意になる。ダマされた悦ちゃんの鼻を指でつんと突いて逃げていくのはユースケのアドリブだったそう。親子の仲の良さがよく伝わってくる仕草だ。

「さっさとカッコいいパパに戻れ!」


今回のドラマは原作の物語の骨格だけ残して、ストーリーとセリフは大幅に変更されている。原作に忠実だった前作『みをつくし料理帖』とは好対照だ。脚本は『マルモのおきて』をヒットさせた櫻井剛。あのドラマも阿部サダヲが子育てに奮闘するお話だった。

碌さんは原作の壮絶にダメな男よりも幾分マシになっている模様。オリジナルキャラのウグイス芸者・春奴(安藤玉恵)にバカにされて、鋭い視線を投げかけると、「そういう野犬みたいな目に女はやられるのよ」と褒められたりする。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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