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「ひよっこ」101話。さあ魔女か女神か菅野美穂

2017年7月29日 08時30分 ライター情報:木俣冬
連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第17週「運命のひと」第101回 7月28日(金)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:黒崎 博
イラスト/j小西りえこ

連続朝ドラレビュー 「ひよっこ」101話はこんな話


川本世津子(菅野美穂)が、みね子(有村架純)に会わせたい人がいると、呼びに来た。

「会ってほしい人がいるの、あなたに」


おやすみの日、世津子がみね子を訊ねて来て、自宅に誘う。
「会ってほしい人がいるの、あなたに」と真剣な顔をする世津子は、なんだか様子がおかしくて、みね子は「大丈夫ですか?」と心配になる。

以後、100回で描かれた、CM出演時の帰り、車の中での回想に。

みね子のお父さん(沢村一樹)の写真を見て、微笑みながら、とても浮かない顔をしている世津子。
お父さんの名前は「実」であることを聞く。
さらに、ためらいがちに、家族のことを聞き、お母さんのことを「優しい人なんだろうね」と言うときの無理している感じ。菅野美穂の、まばたきをあまりしないで見開いた、黒目がちの瞳が、なんとも虚無的というか絶望的というかで、これから先が不安でしかない。

菅野美穂、昔はよく、ホラー作品に出ていただけはあり(「エコエコアザラク」や「富江」など)、陰の魅力をもっている。
彼女はまるで、文楽人形のガブのように、一瞬にして表情を変える技をもっていて、気弱な少女が凶悪な魔女に激変する落差の衝撃が、ホラーにピッタリだった。
近年は、堺雅人の奥様に落ち着き、魔少女性はなりを潜めていたようにも思えたが、今回は、一流女優という役どころと、何か秘密を握っていそうなところに、その魔性を生かしているし、車の中で、写真を見たり、実の話を聞いて虚無的な顔をしている時と、それをみね子に気づかせないように、ニコニコ振る舞う時の早変わりは、菅野美穂のガブ演技健在だと思った(「ちゅらさん」でもその技をよく使っていた)。
思えば、「べっぴんさん」の菅野美穂も、亡くなってから、何10年も、ナレーションとして、主人公である娘を見つめ続けていたところは、ホラーぽくもある。

さあ、川本世津子、みね子にとって、魔女か女神か・・・!

こちら、どう考えても、天使としか思えないおふたり


自分よりも先に、いい役でテレビに出てしまったみね子に、時子(佐久間由衣)は、瞬間、嫉妬を感じるも、すぐに思い直す。
時子は時子で、ついに、端役ではあるが、役をもらっていた(茨城なまりの女の子の役)とはいえ、通常のドラマだと、ここで友情にヒビが入るパターンだが、「ひよっこ」にはそれがない。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

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