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「植木等とのぼせもん」5話「小松政夫」ついに誕生

2017年10月7日 10時00分 ライター情報:近藤正高
好評放送中のNHK総合の土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」(夜8時15分~)。先週、9月30日放送の第5回では、「弟子の名は。」と昨年の大ヒット映画を彷彿とさせるサブタイトルを掲げ、志尊淳演じる主人公・松崎雅臣(のちの小松政夫)の初デートとテレビ初出演が描かれた。
今回のドラマで、谷啓を本人そっくりに演じている浜野謙太は、かつてSAKEROCKというバンドを組んでいた(担当の楽器は谷と同じトロンボーン)。やはりSAKEROCKの元メンバーで、浜野と同じく俳優としても活躍する星野源は、大の植木等ファンでもある(画像はSAKEROCKの最後のアルバム『SAYONARA』)

失恋もギャグで笑い飛ばす


ある日、松崎はテレビ局で、師匠の植木等(山本耕史)からいきなり「この前、俺に見せたアレ、やってみろ」と、クレージーキャッツのハナ肇(山内圭哉)と谷啓(浜野謙太)、番組のディレクター(岡田浩暉)にネタを見せるよう振られる。そこで、「んもう、知らない、知らなーい」というギャグを披露したのだが、ハナとディレクターの反応はいまひとつ。ただ、谷啓にだけは大ウケした。

松崎は一方で、親友で若手俳優の久野征四郎(中島歩)から映画のチケットをもらい、ひそかに思っていた理髪店の鎌田みよ子(武田玲奈)とのデートにこぎつける。しかしその結末は哀しいものだった。みよ子が好きなのは、自分ではなく、久野であることに気づかされてしまったからだ。

今回の話からは、松崎が植木だけでなく、ハナ肇や谷啓らクレージーキャッツのメンバーともいつのまにか関係を深めていたことがうかがえた。どこで聞きつけたのか、ハナはデートのとき使えと松崎に小遣いをくれた。師匠の植木も植木で、妻・登美子(優香)と松崎が植木のために選んで買ってきた靴を、自分の足に合わないと言って松崎に贈る。もちろんこれは、弟子に気を遣わせないための植木の心配りであった。

あっけなく失恋したあとも、谷啓から声をかけられ、クレージーの面々を前に「あ~あ、初めてのデートでいきなりフラれちゃったよ。もう、知らない知らなーい」と例のギャグをアレンジして披露。今度はハナ肇たちにも大ウケであった。どんな失敗をしても、笑いに変えられるのは、コメディアンの強みだろう。

そして後日、松崎がテレビ局で「シャボン玉ホリデー」の台本を受け取ると、そこに自分の出番があるのを発見。待望のテレビ出演をはたした彼は、歌舞伎の石川五右衛門の格好でコントを演じ、橋の上で見栄を切ろうとして欄干から足を踏み外したところで、「お稽古のときはうまくいったのに。もう、知らない、知らない、知らなーい」と決めるのだった。このとき郷里・博多の母(富田靖子)も、テレビで息子の晴れ舞台を見守っていた。

放送の翌朝、松崎が植木を家へ迎えにいく途中、理髪店の前を通りかかると、みよ子が声をかけ、「知らない、知らない、知らなーい」と真似してくれた。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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