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ラッパーを夢見るアフガニスタンの少女「ソニータ」ドキュメンタリー映画を撮るってどういうことだ

2017年10月25日 09時45分 ライター情報:しげる
このドキュメンタリーを見て、内容について云々言うのはちょっと力不足なのではないか……と、原稿を書く段階になって腰が引けている。アフガニスタンに生まれ、望まぬ結婚を強要される絶望をラップに乗せて歌う少女を記録した『ソニータ』公式サイトは、とにかく見た後に考えることの多い作品である。

アフガニスタンの少女、ラッパーを夢見る


映画の主人公であるソニータは16歳。アフガニスタン生まれだが、幼少の頃にタリバンから逃れ、家族と離れ離れになりながらイランのテヘランに不法滞在する難民として暮らす。彼女の憧れはリアーナとマイケル・ジャクソン。夢は有名なラッパーになることだ。

イランで活動するNGOの児童保護センターに通い、教育を受けるソニータ。しかしそんな彼女の元に、アフガニスタンの家族から結婚を強要する連絡が届く。相手は会ったこともない年上の男。ソニータの家族の目当ては結婚の時に花嫁の家に払われる結納金で、その金をソニータの兄が結婚する際の結納金に当て込むつもりなのだ。

知らない男と結婚させられるというだけなら、しばらく前の日本の婚姻制度だってそうだった。アフガニスタンの場合、そこに貧困と多額の結納金というシステムが乗っかるのが話をややこしくしている。結婚に伴って嫁側の家に高額の金が支払われることで、結婚というシステムがそのまま人身売買になってしまう。さらにそこに土地の習俗や宗教に基づく男女観が絡むことで、話は圧倒的に女性側に不利になる。基本的に女性たちの選択肢は泣き寝入りしかない。

しかし、ソニータは抵抗する。一度は母親によって連れ戻されそうになるも、取材班を泣き落として2000ドルを立て替えてもらい、その金で半年の猶予を得るのだ。その時間を使い、ソニータは自らの境遇をラップで訴える。彼女の武器は自分で考えたリリックと、インターネットだ。

ラップとYouTubeの力で事態は思わぬ方向へ


この動画が、ソニータが歌うラップ「売られる花嫁(Brides for sale)」である。額にバーコードを描き、痣だらけ(もちろんメイクである)でラップをする花嫁というビジュアルはインパクト抜群だ。ソニータはこのPVで自らの運命を切り開き、事態は思ってもみなかった方向へと転がっていく。

ラップというのは基本的には言いたいことのある人のための音楽だ。内容はなんでもいい。「オレはモテる」とか「オレはケンカが強い」とか「晩飯がカレーだと嬉しい」とかでもいいし、黒人をはじめマイノリティが政治的なメッセージを発する手段としても広く機能してきた。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    ちなみにぜんぶヤラセです

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