即興のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』、2代目モンスターになって初の振り返り。
2代目モンスターがチャレンジャー時代のベストバウトを選ぶの巻。

「フリースタイルダンジョン」呂布カルマ「言えないことがむちゃくちゃある」新モンスター選ベストバウト
フリースタイルイラスト/まつもとりえこ
UZI「輪入道を楽しむポイントとして興奮すればする程首の振りが半端じゃない」
せいこう「赤べこ感でしょ?赤べこ感が出ると最高」

裂固が選んだベストバウトは、
裂固×T-Pablow 3rd season Rec1のRound2。
詳しくは→T-PABLOW危うし!高校生RAP選手権覇者大暴れ
Zeebraが「テレビゲームをやっていてすごく上手いヤツが「お前そのスピードでよくやれるな」みたいな」と語るバウト。
双方が凄いハイスピードかつ韻踏みまくりであった。

裂固、ラストの凄さ。
「まるでコオロギ もしくはコーモリ
俺 夜行性 可能性導き出してる
そう この場に全くない妥協点
そう 読点合わせてる脳天」

「コウロギ(おおおい)」→「コーモリ(おおおい)」をで韻を踏み、
「コーモリ」をズラシて継いで「夜行性」へ。
さらに「夜行性(あおおえい)」「可能性(あおおえい)」で堅く踏む。

そして「コーモリ」の流れの「この場に(おおあい)」と踏んで、
「夜行(あお)性」「可能(あお)性」からの「妥協点(あおうえ)」を紡ぎ、「読点(おうえ)」「脳天(おうえ)」。
韻の連鎖を爆発させた。

輪入道が選んだベストバウトは、
輪入道×漢a.k.a.GAMI 1st season Rec5。
「お前はアニメの話 あと草の話ばっかただのクソラッパー」
とかました輪入道に対して、
漢a.k.a.GAMIがリミッターを外す。
テレビサイズを超えて、ぐいぐい来る。
輪入道「あっそうかいボンクラ やっと気にしなくなったんだなコンプラ」
ガンガン顔を近づけ首を振り、迫る。

音止まってるのに熱くなって止まらない輪入道。
「フリースタイルダンジョンが盛り上がっていくきっっかけを作ったバトル」とZeebraが語る。

ACEが選んだベストバウトは、
ACE×R-指定 3rd season Rec6のROUND2。
詳しくは→「フリースタイルダンジョン」R-指定「渋谷TSUTAYA前はサイファーじゃなくて性の喜びおじさん」
R-指定「韻を踏んでるけど全部それ俺が7年前に踏んだ韻ばっかじゃないか馬鹿」
というディスに
ACEが「出ました出ました Rくんお得意の「昔俺が踏んだ韻だから踏んだ韻だから」そんな事どうでも良くないっすか?」
と返す。
たしかに、何度か同じディスを聞いた記憶あるから、これは盛り上がる。
バトル終了後、判定が出てすぐR-指定が言う。

「もう1回やる? もう1回やる?」
ACEもふりかえって「自分の感触としてはああ倒したと思った」

「あの和尚はなんですか」といとうせいこうに言われるぐらい絶対的存在感を持つ崇勲が選んだベストバウトは、
崇勲×般若 2nd season Rec1。
詳しくは→「フリースタイルダンジョン」R-指定「渋谷TSUTAYA前はサイファーじゃなくて性の喜びおじさん」
「だから俺はVERSE小節無駄にしたってヒロシタカシをしっかり言い直した」
とまっすぐに返すのだが、この後。
「俺の……」
言葉が止まるのだ。
すぐ持ち直して、
「緊張しちまうよだけど仕方ねぇ」
と続ける。
どれだけ般若圧高いんだ!

目を合わせないと決めてたんだけど、2バース目で目合わせてしまった崇勲。

それで、沈黙してしまう。
「我に帰ったときには、少年にもどったような感じで、「根こそぎ」聞いてましたみたいに」

呂布カルマが選んだベストバウトは、
呂布カルマ×漢a.k.a.GAMI 3rdseason Rec5のROUND2。
詳しくは→呂布カルマ登場、R-指定以外(般若も!)眼中になし宣言
そういえば、この時、呂布カルマは「R-指定以外は正直別に」と眼中なし宣告して登場。
R-指定にたどり着くまで、モンスターをばっさばっさとなぎ倒したのだった。
(→呂布カルマ×R?指定、審査員驚愕、会場騒然、壮絶な幕切れ

漢a.k.a.GAMI「お前馬みたいな面してそんな風に観ててもよ爬虫類みたいな顔にしか見えない」
に対して、
呂布カルマ「爬虫類か馬なのかハッキリしろや 馬は哺乳類だろうが」
と真っ当なロジカルなアンサー。
呂布カルマ「お前は猪八戒だろうが」
と畳み掛ける。

さらに、
漢a.k.a.GAMI「焦り出すんじゃねぇよ」「澄まし顔してたって無駄なんだよ」

呂布カルマ「澄ましてんのか焦ってんのかどっちなんだよ テンパってのはおめぇのほうだろうが」
と、これまた真っ当でロジカルなアンサー。
韻の弾みで出てきた矛盾した言説を取って返してきっちり詰めて、相手が焦って自滅していく方向に追いやっていく。
「漢さんと戦うとツッコミ所はたくさんあるけど、言えないことがむちゃくちゃある」ので、漢さんの言うことに返すことに集中して戦ったと振り返る呂布カルマ。

FORKが選んだベストバウトは、
FORK×DragonOne 3rd season Rec3のRound1。
詳しくは→ 「フリースタイルダンジョン」韻を踏むってこういうことだ、わかったか
FORKのラストターン。
「調子に乗んなよDragonOne」
と、さらっと語るように放つ言葉。

いままで踏み倒してた韻を解放し、
「だがあの時代なら一週間以内で刺されるぞ」
と地獄のパンチラインを打ち込む。
「分かるか あるのか覚悟 お前はまるでまな板の上のマグロ」
と、「覚悟 マグロ」で踏み(かつ「ま」の連打し)つつ物語を展開し、
「俺が板前 ここで綺麗に捌くから 全員「いただきます」と言いたまえ」
と、オーディエンスを見渡すFORKの顔が凶器であった。
FORK、ふりかえりながら、バトルから離れているときに俯瞰で見て、いまのスタイル「しゃべっている様な口調でライムすることによってラップとして昇華するスタイル」ができたと語る。

次回、Rec4スタートである。期待ッ。(テキスト/米光一成 イラスト/まつもとりえこ