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黒いイ・ビョンホン「マスター」は悪の魅力。被害総額4兆ウォンだ

2017年11月16日 09時45分 ライター情報:しげる
シャープなイケメンかつ細マッチョ、アクションもイケるスーパーマンであるイ・ビョンホン。そんな彼も今年で47歳ということで、貫禄のある役もハマるようになってきた。そんなイ・ビョンホンの胡散臭くて極悪なイケオジぶりを堪能できるのが『マスター』である。

モチーフになったのは、実在の巨額投資詐欺


『マスター』でイ・ビョンホンが演じるのが、金融投資会社「ワン・ネットワーク」のトップであるチン・ヒョンピル会長。投資家相手ににこやかかつ情熱的に夢を語るカリスマ社長でありながら、やってることはほとんどマルチ商法という極悪人である。集めたカネを政官界にばらまくことで権力側と結託し、警察にもおいそれと手が出せないという厄介な悪役だ。

『マスター』のモチーフとなったのが韓国で2008年に発覚したチョ・ヒパル詐欺事件。韓国史上最大のピラミッド詐欺(いわゆるネズミ講)の主犯で、2004年から2008年までの間に多数のペーパーカンパニーを設立し、医療機器リース事業などへの投資と偽って多額の金を集めた。その被害総額は4兆ウォン以上、被害者は概算で4万人。指名手配されたものの2008年に中国へ密航し、2012年にはそのまま中国で死亡したというニュースが流れた。遺族はすでに「中国で埋葬した」と発表したが、死亡証明書に中国公安の認証がないなど捏造疑惑も発生。火葬後だったのでDNA鑑定も不確定となり、今もって完全に解決していない事件である。そんなネタを扱って娯楽作にしちゃおうというのだから、野次馬の血が騒ぐ。

極悪、正義、姑息のイケメン3人による騙し合い


映画の冒頭はチン会長によるイケイケのプレゼン大会。庶民を巨大なホールに集め、目に涙を浮かべんばかりの勢いで「私がこの場に立っているのはみなさんのおかげです!!」みたいな、歯が浮くセリフを滔々と並べ立てる。その会場を冷ややかに見つめるのが、知能犯罪捜査班班長にしてエリート警察官のキム・ジェミョンである。長らくチン会長の悪事を暴くべく専従捜査を続けてきたキムは、組織のナンバー3にして天才的ハッカーであるパク・ジャングンに接触。司法取引を持ちかけて内部の情報提供者に仕立てようとする。

しかしパクはパクで組織の電算室管理人(なぜかハチミツに異常なこだわりを持つメガネのオタク)を抱き込みつつ、巨額の資金を着服しようとしていた。内通者の存在を感じ取り警戒を強めるチン会長と、パクを利用して捜査を進めるキム、そして全員を出し抜いて一人勝ちを狙うパク。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

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