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「わろてんか」41話。釈然としないてんと藤吉の言動は、落語「時うどん」を踏まえると少し理解できる

2017年11月18日 08時30分 ライター情報:木俣冬
連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第7週「風鳥亭、羽ばたく」第41回 11月17日(金)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:本木一博
イラスト/まつもとりえこ

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てん(葵わかな)は、喜楽亭文鳥師匠(笹野高史)自身に寄席に出てもらおうと、彼の好物・甘いカレーうどんを作る。

甘辛問答


栞さま(高橋一生)の話を聞いて、てんが作った甘いカレーうどんを「辛いわ」と喜ぶ文鳥師匠。
てんと藤吉の熱にほだされて、端席で落語を披露することを引き受ける。

師匠が、甘いカレーを「辛い」と言うのは、野暮は承知で想像するに、カレーなんだから“辛れえ”というダジャレを貫き続けているのだろう。しかも師匠は甘党で。そんな一筋縄ではいかない人間性そのものを、日常から笑いに還元している師匠(全身小説家ならぬ全身落語家なのだ)だからこそ、一度で諦めず、くすぐり続ければ、無理難題を聞いてくれる可能性があると栞はふみ、それが彼なりの「仕返し」だったのかも。

そんな栞の思いを汲み取ったてんは、そのうえ、美味しい(甘い)カレーうどんをつくる自身の才能で勝負した。おみごと。

時うどん


藤吉は藤吉で、こどものときに聞いた師匠の「時うどん」が大好きで大好きでと、師匠の前で一節を披露する。
このひと、これまで、歌舞伎のモノマネとホーホケキョしかやってなかったのに、唐突過ぎませんか・・・とツッコむのも芸がない。ここは、そういう藤吉の言動には、ちゃんと理屈があったと考えて、楽しみたい。

なぜ、藤吉は、その場しのぎに思えることばかり言うのか。その謎は彼が好きな落語「時うどん」の内容に秘められている。
「時うどん」(江戸の落語には「時そば」がある)は、お金が足りないのに、うどんをまんまとせしめる人物が出てくる。「いま何時や」と時間を聞いてごまかすのが有名。いかに適当なことを言ってその場を切り抜けるか、すべては噺家の話芸にかかっている。
ホラ、これ、藤吉のやっていることと同じではないか。
てんもはじめて観たのが落語だったと藤吉を援護射撃。思い出し笑いをする姿が、師匠の心を動かしたような・・・。
藤吉とてんが、寄席を亀井から買い取ったのも、文鳥師匠を口説き落としたのも、すべて「時うどん」作戦なのであろう。
おみごと。

ただ、「時うどん」は、うどんをせしめたあとにつづきがある。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

コメント 4

  • 匿名さん 通報

    残念なのは、笑いのネタが笑えず、主人公が無駄に笑っているだけに見えることと、「よくできた脚本」を狙っていそうなあざとさが見えること。

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  • 匿名さん 通報

    42話のことで恐縮ですが、文鳥師匠の落語シーンは良かったと思いますよ(前代未聞は言い過ぎですが)。藤吉のまねごととは雲泥の差です。わざとかも知れませんが、藤吉のは声を張っているだけで味がないですね。

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  • 匿名さん 通報

    うどんが冷めているのでは? ふやけて伸びているのでは?

    4
  • 匿名さん 通報

    >落語シーンが前代未聞 どの辺が、そうだったんでしょうか?見て全くわかりませんでした。

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