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ホロコースト否定論を否定せよ「否定と肯定」は歴史の捏造に対して毅然とした態度をとる法廷映画

2017年12月15日 09時45分 ライター情報:しげる
法廷ものとして真っ当に面白く、さらに歴史の捏造に対して毅然とした態度をとる作品である『否定と肯定』は、2017年の今だからこそ見ておきたい一本だ。

ユダヤ系歴史学者VSホロコースト否定論者、イギリスでガチンコ対決


『否定と肯定』の題材となっているのは、"アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件"だ。1996年から2000年(最終的にアーヴィングの控訴が却下されたのは2001年)にかけて争われたこの裁判で問われたのは、ホロコースト否認論の是非である。

1994年、アトランタの大学で働くユダヤ系のホロコースト研究家デボラ・E・リップシュタットは、講演の最中にホロコースト否認論を説く歴史家のデイヴィッド・アーヴィングからの妨害を受ける。「プレスリーの生死を論じても意味がないのと同じ」と言ってホロコースト否認論者との対話を退けるリップシュタットだったが、アーヴィングは会場で勝手に著書を配布し、挙句にはリップシュタットへの中傷をインターネットに書き散らす。

次いで1996年。リップシュタットはイギリスにおいてアーヴィングから名誉毀損で訴訟を起こされる。アメリカの裁判の仕組みと異なり、イギリスでは被告側に立証責任があり、その仕組みを突いた訴訟であった。法廷で真っ向からアーヴィングと対決することになったリップシュタットは、ダイアナ妃の離婚裁判で弁護を務めた事務弁護士のアンソニー・ジュリアスと名誉毀損専門の勅撰弁護士リチャード・ランプトンを中心としたイギリス人弁護団を雇い、「ホロコーストが実在したこと」を証明するという奇妙な裁判に挑む。

実際のホロコースト生存者からの訴えや自身もユダヤ系であることから感情的になり、自らや生存者による証言で戦おうとするリップシュタット。それに対して、入念な下調べによる地道な作戦を勧める弁護団。アウシュビッツの建造物に関する細かい点をいちいち指摘してはリップシュタットの主張の粗を探そうとするアーヴィング。一進一退の攻防を見せつつ長期化する裁判の中で、果たして勝つのはどちらか。

ホロコースト否認論というヘビーな題材を扱った映画ではあるが、まず言っておきたいのは、この映画は法廷ものであるという点だ。裁判というバトルを扱い、どうなったら勝利なのかがはっきりしている法廷もの映画は大体面白いものだが、『否定と肯定』もそれに倣った作り。弁護の方針を巡って対立するリップシュタットとイギリス人弁護団。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

「ホロコースト否定論を否定せよ「否定と肯定」は歴史の捏造に対して毅然とした態度をとる法廷映画」のコメント一覧 5

  • 匿名さん 通報

    南京大虐殺も従軍慰安婦も、歴史的事実です。

    13
  • 匿名さん 通報

    日本の現状にもリンクしている内容の映画であるようだ。是非見てみたい。

    7
  • 匿名さん 通報

    修正主義の特徴①「捏造」を多用②被害者を金銭目的と侮辱③被害者の体験談を聞いた事がない④自国だけではないとすり替えの主張⑤現在の視点で歴史を検証できない⑥他民族への差別意識がある

    7
  • 匿名さん 通報

    100人なら大虐殺ではないと?何が問題の本質で、課題なのかが理解出来ないのが致命的。それが日本政府。恥の上塗り。問題は深刻化する。

    5
  • 匿名さん 通報

    22:19のようにアホな事言っている奴がいるので、「難を逃れた南京市民」というのも出て、とうとう虐殺されたと言われる市民数+避難民で当時の市民数を遥かに超える数に!自らフィクションと叫んでいる。

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