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「西郷どん」原作者・林真理子「直木賞作家」で「大河作家」の語る理想の国家、政治家の本分

2018年1月21日 09時45分 ライター情報:木俣冬
大河ドラマ「西郷どん」(原作:林真理子 脚本:中園ミホ/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BSプレミアム 午後6時) 

第2回「立派なお侍」1月14日放送  演出:野田雄介
2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」完全読本 (NIKKO MOOK)


1月20日放送の「土曜スタジオパーク」で、林真理子先生は「直木賞作家」の肩書についで「大河作家(原作者)」の肩書を得たことを誇らしく語っていた。

直木賞作家にして大河作家(原作者)は過去、どんな作家がいるか調べてみると、
司馬遼太郎、海音寺潮五郎、城山三郎、永井路子、山崎豊子、杉本苑子、新田次郎、陳舜臣、高橋克彦、宮尾登美子、と錚々たる作家たちであった。
林真理子先生、すごい。

だが、直木賞受賞作「最終便に間に合えば」「京都まで」の「京都まで」は京都が舞台で、「西郷どん!」も京都からはじまっている。彼女にとっては京都がラッキースポットなのではないか。

林真理子先生の原作「西郷どん!」は、上巻で安政3年、篤姫の婚儀まで進んでしまう。けっこう駆け足な展開(たくさんの資料を読み込んで勉強したことを短くわかりやすくまとめるほうが大変だと思う)なので、脚本の中園ミホ先生は、一足飛びの足跡を、一話一話、丹念に広げていかないとならない。
はじめのほうは、西郷が翔ぶための、土台を着々作っているようで、「失敗する西郷さん」の「失敗」を描く。
2話では、1846年、18歳になった吉之助(鈴木亮平)が、大きな挫折を味わうエピソードだった。

泣く、西郷さん


1846年、18歳の吉之助は、藩(薩摩)の農政と年貢の調整を行う「郡方書役助」(こおりかたかきやすたすけ)という役目に就いていた。
農民から上納米を集める仕事だが、その年、長雨と冷夏で稲がやられてしまい、上納米を納めることが難しい。
吉之助は農民に同情し、上納のシステム変更を提案したり、借金のかたに売られそうになる娘・ふき(柿原りんか)を助けようとしたり奮闘するが、力及ばず、己の非力さを痛感する。

1話に続き、伝えたいことをシンプル、かつ丁寧に描いて、誰にでもわかりやすい。
まずは、吉之助の周辺の人々の、貧しい生活を描く。白いごはんを食べたことのない農民の子どもたち、貧しいのに子だくさんの西郷家(ドラマでは書いてないが、原作で書かれているところも面白い)、取れ高に応じて上納米の分量を変える検見取りのほうがいいかと思えば、隠し田を作っている農民には嬉しくないなど、いろいろ事情が込み入っていて、正義を貫くことは簡単ではなかった。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    >話で泣かせてくれたふきは、やがて大人になって高梨臨(浦和レッズの槙野選手と結婚を発表して話題の)が演じる  あの役で、大人になってから西郷さんらの前に登場するのか!驚きました❗❗

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