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アカデミー賞主要6部門7ノミネート「スリー・ビルボード」 は想像の斜め上を行く、ギョッとする

2018年2月8日 09時45分 ライター情報:しげる
ぼちぼち発表の近づいてきた今年のアカデミー賞。そこで主要6部門7ノミネートという推されっぷりなのが『スリー・ビルボード』である。その内容は、筆者の想像を大きく超えたものだった。

3枚の看板が、田舎町に波乱を呼ぶ


舞台はミズーリ州エビング(エビング自体は架空の街である)。その郊外の田舎道にある3枚の立て看板に、ある日ミルドレッド・ヘイズという中年女性によるメッセージが貼り出される。その内容はそれぞれ3枚の看板に「レイプされて殺された」「犯人逮捕はまだか」「なぜ? ウィロビー署長」と大きく書かれているというもの。ミルドレッドは7ヶ月前に娘を「レイプされた上で焼死」という悲惨な形で失った母親であり、3枚の看板はその犯人逮捕が遅れていることに対して、街の警察署長であるウィロビーを名指しで批判した広告文だったのだ。自宅で家族と感謝祭のディナーを囲んでいたウィロビーは、パトロールに出ていたディクソン巡査からこの看板のことを報告される。

ミルドレッドは次の一手として、テレビのインタビューに「殺人犯を放置している責任は所長にある」と答える。もちろんウィロビーも事件を放置しているわけではない。彼はミルドレッドの元に捜査の状況を説明しに向かうが、ミルドレッドはにべもなくウィロビーをあしらう。人情味のあるウィロビーはエビングの人々から慕われており、当然ミルドレッドは町中から妨害を受ける。だが、ミルドレッドは一向に意に介さない。

一人息子のロビーからも反発され、DVの果てに別れた元夫のチャーリーからも警告を受けるミルドレッド。しかし彼女は一歩も退かず、看板は設置され続ける。しかし、実は末期ガンに侵されていたウィロビーがとったある行動が、エビングの町にさらなる波紋を呼ぶ。

3人の男女がたどる、予想だにしないストーリー


予告を見た限りでは、娘を失った肝っ玉母ちゃんが犯人逮捕のために頑張る映画なのかな……と思っていた。が、『スリー・ビルボード』はそんな単純な映画ではない。最初は硬骨で一本気な正義の母親に見えていたミルドレッドだが、場面が進むにつれて次第に観客はその行動にドン引きすることになる。逆に、怠惰な警察署長に見えていたウィロビーが、実は真面目で家族思いな田舎の署長さんだったことが段々とわかってくるような構造になっている。何にぶち当たっても信念を曲げない女版イーストウッドのようなミルドレッドと、めちゃくちゃいい人だったことがわかってくるウィロビー。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

「アカデミー賞主要6部門7ノミネート「スリー・ビルボード」 は想像の斜め上を行く、ギョッとする」のコメント一覧 3

  • 匿名さん 通報

    一般受けはしなさそうだが、面白そうだ❗

    3
  • 匿名さん 通報

    この映画に関しては警察が何もしないことに対する抗議という程度の認識しかないのだが、そんな安直なストーリーで終わるようなら、アカデミー候補には挙がらないだろう。どんなラストなのかは気になる作品。

    1
  • 匿名さん 通報

    3回もギョッとしたらサカナ君が特別出演しそう。

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