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「西郷どん」7話。篤姫の「恐ろしいような縁談」西郷さんの「つましい婚礼」

2018年2月25日 09時45分 ライター情報:木俣冬
大河ドラマ「西郷どん」(原作:林真理子 脚本:中園ミホ/毎週日曜 NHK 総合テレビ午後8時 BSプレミアム 午後6時) 

第7回「背中の母」2月18日放送  演出:岡田 健
『角川つばさ文庫版 西郷どん』西郷隆盛の物語

亡くなったのは、母だけではなかった


ここ数回、「西郷どん」を見ていると、脚本家の中園ミホは、大河ドラマであえて時代物ではなく、世話物路線を選択したのではないかと思えてくる。
世話物とは、市井の人々の生活を通して繰り広げられるヒューマン・ドラマのようなもの。
7話は、吉之助の家族の物語で、世話物感が極まった。視聴率は14.3%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)。

「瞼の母」のようなサブタイトル「背中の母」及び先週の予告から、母・満佐(松坂慶子)の身に不幸が起こるのであろうと容易に想像できたが、一筋縄ではいかないのが中園脚本。
まず、タイトルバック明け、嘉永5年、夏、祖父・龍右衛門(大村崑)が亡くなったとナレーション(西田敏行)が入る。
祖父の心残りは、吉之助(鈴木亮平)の嫁と孫を見ることができなかったことだと、にわかに吉之助の結婚計画が進行し、父・吉兵衛(風間杜夫)が張り切りだす。

吉之助は、家が貧乏過ぎることも心配の種だし、島津斉彬(渡辺謙)について江戸で働きたいという若者らしい大志もあって、未だ嫁どころではないが、満佐が龍右衛門から病を移されて具合悪くなり、一刻も早く嫁をもらわないといけなくなってしまう。
こうして、同じ町内の伊集院家の娘・須賀(橋本愛)を娶ることになる。
彼女をもらってすぐ、びっくり展開が待っていた。吉兵衛が何の前触れもなくあっけなく亡くなるのだ。
見ているほうは、満佐が亡くなると思っているので、ショックもひとしおであった。

満佐がなくなるのは、最後の最後。
吉之助が、すっかり弱った母を背負って桜島を見に行き、彼が生まれたとき、親子3人でここへ来た思い出に浸りながら、母は召される。

一年の間に、祖父、父、母と立て続けに亡くすことは林真理子の原作にも書いてあるが、それは並製上巻78ページから82ページの間のわずかばかり。それを中園ミホはずいぶんと劇的に書きこんだ。母と息子の別れは当然ながら、吉兵衛が亡くなる前、満佐との愛情を嬉々として語り、そのあと、突然の死を迎える展開も涙を誘う。

ついでに記せば、ドラマでは触れられてなかったが、原作では、父も祖父の病をもらったと書いてあった。
とにもかくにも吉兵衛の死にはヤラれた。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

「「西郷どん」7話。篤姫の「恐ろしいような縁談」西郷さんの「つましい婚礼」」のコメント一覧 3

  • 匿名さん 通報

    >世話物より、時代がダイナミックに動いていくドラマをやっぱり見たい・・・かも。 個人的にはそういう展開は見飽きているので、家族の視点から幕末の英雄を描く、という話が見たいです。

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  • 匿名さん 通報

    明治維新の話は男が表舞台で活躍する話がおおいので内側から支える家族目線の話があってもいい。

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  • 匿名さん 通報

    もう江戸編になるの?

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