『花より男子』新シリーズ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS・火曜10:00〜)第3話。

江戸川音(杉咲花)のことが好きだ! と神楽木ハルト(平野紫耀)が自覚し、何となーくいい感じになったところで、ハルトの事をずっと好きだった女が邪魔しに来るという、ラブコメ王道の展開!

金持ち学校なのにバットでぶん殴る武闘派ないじめ


英徳学園の品格を保つため、授業料を滞納したり、寄付金を納められない庶民を退学に追い込む「庶民狩り」を推し進めてきたC5のリーダーである神楽木ハルトが、ド庶民の江戸川音に心惹かれていると知り、怒り全開となったのが、C5の一員である真矢愛莉(今田美桜)。

この愛莉、育ちのいいお嬢様のハズなのに、気にくわないことがあると色んな物を破壊するデストロイ女で、なかなかいいキャラなのだ。

「花のち晴れ」3話。「花男」から花沢類登場!10年以上経っているのにあの頃のまんま過ぎてビビる
イラストと文/北村ヂン

そんな調子で音をバイオレントに懲らしめるのかなと思いきや、音が隠れ庶民であるという情報を全校生徒のスマホに配信。

「この学校、全校生徒でLINEグループ作ってるのかよ!?」とは思ったけど、原作だと「江戸川音はド庶民」と書かれた顔写真つきのビラをばらまいている。お嬢様がWordかなんかで原稿を作ってプリントアウトしてコピーして……と考えると、まあLINE送るくらいの方がふさわしいか。

とにかく隠れ庶民であることが発覚し、全校生徒からの音に対するいじめがスタートする。

『花より男子』の「下駄箱に赤紙が貼られたらいじめのターゲット」というシステムもなかなか野蛮な制度だったけど、今回も生玉子をぶつけたり、バットでぶん殴ろうとしたりとド直球なバイオレンスいじめ全開。

金持ちのお坊ちゃん・お嬢ちゃんが通う学校にしては武闘派だね、みんな。
学園の品格を保ちたいなら、そういうところから直した方がいいと思うけど。

本来、進んで庶民狩りをするべき立場のハルトは、音のことは好きだし、でもこれまでガンガン庶民狩りをしてきた手前、止めづらいし……と葛藤し、例のごとく大事な時に何も出来ず。

そうこうしている内に、音を助けに来たのが、婚約者である馳天馬(中川大志)……別の学校の生徒なのに。ババーンと登場して金属バットを素手で止め、音をお姫様抱っこして去って行くという王子っぷり。しかも、音名義で学園へ5000万円を寄付しているというソツのなさ。

そのお金も、金持ちの親からもらった物ではなく、子どもの頃から自分で資産運用して作った物だという。
ただでさえ母親同士が決めている婚約者だというのに、こりゃーかなわないわ。

アタフタしている内に、天馬にいいところをまるっと持っていかれて落ち込むハルトだった。

花沢類があの頃の花沢類のまんまだ!


そんなハルトを励ましたのが花沢類(小栗旬)。

第1話の道明寺司(松本潤)に続いてキター、『花より男子』のF4!

冷静に考えると、おじさんがなぜか高校に忍び込んで寝ているという状況。完全に事案発生モノなのだが、小栗旬だから許されてしまうんだろうな、きっと。

第1話に登場した松本潤は、「道明寺司を演じるにはさすがに年取ったなぁ〜」という印象が若干残ったものの、花沢類はあの頃の花沢類のまんま。

近年のワイルド感が漂っている小栗旬ではなく、キッチリと「あの頃」感を取り戻してきているのはさすがだ。


しかし、その花沢類に対してハルトがぶつけた質問が、

「オレ今、色んなことがごっちゃになってて、大事な物が分からなくなってて、がんじがらめで……。こういう時、道明寺さんならどうします?」

そこで別の人のことを聞くか!

花沢類より道明寺司の方を尊敬しているのは分かるけど、X JAPANのToshlに「YOSIKIってどんな人なんですか?」と質問するくらい失礼だぞ!

平野くんの硬い演技がダメなハルトとシンクロ


失礼すぎる質問にも気を悪くせず、答えてくれた花沢類からのアドバイスは「司は野生だからさ、そのゴチャッとした中の一番大事な物しか眼中にないよ」。

この言葉に従い、ハルトは「やっぱ音のことが好きだし」という方向に突っ走るのだった。

ストーカーばりに音のバイト先のコンビニに現れ、バイトの先輩・紺野(木南晴夏)&その彼氏・ミータン(浜野謙太)とダブルデートすることに。音が気を遣ってミータンのことを「格好いいですね」と言ったら、

「こういう男がタイプなのか! 絶対に負けねえ!」

と間違った対抗意識を燃やし、バッティングセンターでホームランを打つため、日が暮れるまで延々とバットを振り続ける。

「努力家なのか負けず嫌いなのか……。
けど一個のことにひたすら真っ直ぐなとこ。まったく変なヤツだけど、そこだけはスゴイと思う」

これでイケメンじゃなかったら単にメチャクチャやばい人。音も感心している場合じゃないよ。

平野紫耀の演技は相変わらず硬いままなんだけど、周りの杉咲花、木南晴夏、浜野謙太の演技が達者な分、「ヘタだけど一生懸命やっている平野くん」が際立って、「ダメダメな方向に努力しまくるハルト」と意図せずシンクロ。

ちょっとハルト&平野くんに感情移入してしまった。

結局、こういう、ダメダメなヤツだけどがんばってる……という姿を見せていくことによって、何だかんだで音とハルトがくっつくというのが既定路線なのだろう。


前回までは、パーフェクト過ぎる天馬と張り合わなくちゃいけないハルトに同情していたけど、いや、これ逆だな。

こんなに音のことを思い、つくしているのに、最終的にハルトに女を持って行かれちゃう天馬がかわいそう! ……5000万円も出してるのに。

常に模範的な行動を取っている優等生より、気まぐれに捨て犬に優しくしたりする不良の方がいい人に見える……というのはドラマ的なお約束だけど、ホントは最初からグレてない人の方がエライからね。

今のところ、嫌な面がまったく見えてこない馳天馬。どこかで「いい人に見えるけど実は……」的な裏の顔が見えてこないと、音&ハルトがカップルになるのを素直に喜べないけど、どうなっていくのか!?
(「イラストと文/北村ヂン)

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