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今、寺社フェスが凄い、宗派や宗教を超えて僧侶たちが熱い、何が寺に起こってるのか聞いてきた

2018年7月19日 09時45分 ライター情報:小村トリコ
寺イベントがすごいことになっている。
法要だけではない。若い僧侶が中心となって、アートや音楽と連動したイベントを各地で行っているのだ。

2005年、浅草の緑泉寺で「暗闇ごはん」というイベントが開催された。当時海外で流行していたブラインドレストラン(視覚を遮断した状態での食事体験)のコンセプトを、日本の食育の目線から実践した。

2011年、東日本大震災で人々の不安感が高まる中、南品川の常行寺で寺社フェス「向源」が始まった。お経を故人の供養ではなく生きている自分のために聞き、自己を再発見してもらうイベントだ。僧侶みずからDJとなり、仏典に節をつけた仏教音楽・声明(しょうみょう)を披露した。
以来、寺社フェスは毎年開催され、宗派や宗教を超えた僧侶たちを巻き込んで、仏教、神道、日本文化をワークショップ形式で体験できるイベントとして続いている。
蟠龍寺の吉田龍雄上人

目黒区の蟠龍寺(ばんりゅうじ)は、このムーブメントの中心を担う寺院のひとつ。
書家・華道家・パーカッショニストが組んだライブパフォーマンスのほか、寺ヨガ、木魚体験、吟遊詩人の弾き語りライブなど、個性的なイベントを数多く主催している。
次回開催されるのは「クリスタルボウル メディテーション」。水晶でつくられた楽器・クリスタルボウルの演奏と、僧侶の法話をかけあわせた企画だ。
一体、寺に何が起きているのか。蟠龍寺の副住職・吉田龍雄上人に聞いた。

寺は巨大なインスタレーション


──吉田さんは以前から、アーティストやクリエイターと恊働しての寺イベントを開催されていますよね。

吉田 寺イベントの活動を始めたのは、私が港区芝の増上寺で僧侶をしていた時です。増上寺の後ろには東京タワーが建っていて、毎日たくさんの観光客が訪れます。でも、みなさん写真を撮るだけですぐに帰ってしまうんです。なんだかもったいない。ある日ふと、本堂と東京タワーの組み合わせが“巨大なインスタレーション”のように見えて。アートの切り口からお寺に人を呼べば、来た人に新しい経験を提供できるのではと考えました。

──すごく現代的な考え方ですね。

吉田 というより、昔のところに戻っている感覚かもしれないです。かつてお寺はいろんなものを担っていたんですよ。教育、医療、文化、芸術。人が集まって発信する場でした。

──お寺は時代の最先端だった?

吉田 仏教自体が大陸から輸入された、新しいものでしたからね。それが明治以降の近代化で分業が進み、今のお寺に残されたのは先祖供養と祭祀の継承だけになりました。

ライター情報

小村トリコ

フリーライター。米シアトルの新聞社を経て東京へ。日本の伝統と、日米のカルチャーギャップが最近の研究テーマ。お坊さんを追いかけています。
Twitter:@torikomura

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