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グッドルーザーたちの甲子園100年。日本文理、星稜、東北勢の悲願

2018年8月13日 09時00分 ライター情報:オグマナオト
「100回の夏。奇跡。高校野球はすごい! 高校球児はすごい!!」
ABCテレビの実況アナウンサーはそう叫んでいた。

夏の甲子園100回大会、8日目第3試合、星稜(石川)vs.済美(愛媛)の一戦は、延長13回裏、大会史上2度目のタイブレークの末、100回の歴史で史上初という逆転サヨナラ満塁ホームランでミラクル済美が勝利。まさに100年語り継ぎたい伝説の試合になった。

大会前から、石川大会で見せた圧倒的な強さ、先輩・松井秀喜の始球式がある開幕戦を当てた引きの強さもあって、星稜が遂に悲願の初優勝をするのではないか、と注目していた。

それだけに、「やはり星稜の負けっぷりはすさまじい」「“グッドルーザー星稜”はもはや伝統だな」と再認識した次第。私だけでなく、今回の敗戦で、星稜の過去の敗戦の歴史を思い出した人は多いはずだ。

甲子園の歴史とは、敗者たちの物語


この夏、『ざっくり甲子園100年100ネタ』(廣済堂出版)と題した本を上梓した。

過去100年以上の歴史を有する高校野球の歴史から、これは外せない、というエピソードを【選手】【監督】【学校】【勝負】【球場】【大会】【逸話】【人物】の8ジャンルから計100個選出。それぞれのエピソードを1000文字ずつでできるだけ簡潔に、それでいて、甲子園の歴史の流れが掴めるように、と意識してまとめた一冊だ。もし、今大会が終わったあとの執筆になったとしたら、今回の星稜vs.済美の試合も収めたに違いない。

この本、何に苦労したかといえば、100ネタどれを選ぶか、というネタ選定の部分。甲子園のドラマなんて1大会だけで何十個と生まれてしまうもの。掲載したいのに年代のバランスで泣く泣く選べなかった試合、選手、エピソードも数多い。「あの試合がない、あの選手がいない」というお叱りもきっとあるだろう。

どれを選ぶかで悩んだとき、ひとつの基準にしたのが「グッドルーザーがいるかどうか」だった。甲子園の歴史とは、敗者たちの物語でもあるからだ。

古くは1933年の第19大会準決勝、明石中vs.中京商の延長25回の死闘。負けた明石中には“投げられなかった伝説の投手”楠本保がいた。

1969年の第51回大会決勝、史上初の決勝引き分け再試合、松山商vs.三沢の激闘は、「日本中昼寝もさせぬ十八回」「半分にちぎれぬものか優勝旗」といった時事川柳が新聞の投書欄を賑わせたほど。準優勝に終わった三沢のエース・太田幸司は、むしろ敗れたからこそ伝説の球児となったのかもしれない。

ライター情報

オグマナオト

福島県出身。『週刊野球太郎』『web R25』を中心にスポーツネタ、野球コラムを寄稿。構成した本に『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』『福島のおきて』など。

URL:Twitter:@oguman1977

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