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ギリギリの安達祐実「健康で文化的な最低限度の生活」普通を意識するあまり、普通ができない人の苦しみ4話

2018年8月14日 09時45分 ライター情報:大山くまお
柏木ハルコ原作、吉岡里帆主演のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』。新人ケースワーカーの目を通して、何かと悪いイメージがつきまとう生活保護の実態を描く。

先週放送された第4話の視聴率は5.5%。はっきり言って低視聴率なのだが、『ザテレビジョン』がSNSや独自調査を集計した「視聴熱」ランキングはけっして低くはない(2週続けてドラマ部門の5位)。

たしかにチャレンジングな企画だし、生活保護を真正面から描いているのでストレスフルな展開が多い。だけど、このドラマはもっと多くの人が見るべきものだと思う。なぜなら今の日本では、いつなんどき自分が生活保護を利用することになってしまうかわからないのだから。
イラスト/まつもとりえこ

「頑張りましょう」は呪いの言葉


第4話に登場したのはシングルマザーの岩佐朋美(安達祐実)と6歳の娘・咲(吉澤梨里花)。彼女を担当するのは、えみる(吉岡里帆)の同期の新人ケースワーカー・七条(山田裕貴)だ。

岩佐は1年前に夫のDVによって離婚。その後、生活保護を利用していたが、就労意欲は旺盛で受け答えもハキハキしている。七条もそんな岩佐のことを応援していた。

「きっとお子さんも、頑張っているお母さん、好きだと思います」
「最初のうちは大変ですけど、頑張りましょう」

岩佐は笑顔を浮かべてはいるものの、机の下では拳を握って何かをこらえている様子。七条が言葉を発したタイミングでBGMも不穏なものに変わっている。しかし、そのような演出がなかったとしても、岩佐と同じような境遇に身を置いたことがある人ならば、何気ない七条の言葉が相手を追い詰めるものだということが直感でわかるだろう。

えみるは急におままごとで「あんたさえいなければ、あんたさえいなければ! いつもお母さんはこういう風に言うんだ(ニッコリ)」と言い始めた咲を見て、岩佐が大きなストレスを抱えているのではないかと心配するが、七条は気にとめない。自分も母子家庭で育った七条は、岩佐に強く感情移入していたのだ。

七条に就労活動の状況を尋ねられると、つい「決まった」と返事をしてしまう岩佐。しかし、実際は不採用だった。カフェで会った仕事が多忙そうな友人にも、つい笑顔で受け答えしてしまう。ぎこちない笑顔がつらいが、周囲は案外このぎこちなさに気づかないものだ。仕事に就けず、友人にもケースワーカーにもついいい顔をしてしまい、心を開くことができない岩佐はどんどん孤立していく。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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