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オススメ「ブッシュウィック」アイデア一発を、強烈かつ低予算に料理しようという意欲がムンムン

2018年8月16日 09時45分 ライター情報:しげる
「この映画、やりたいことをやったな!」と感じられる映画が好きだ。その意味でいえば、『ブッシュウィック 武装都市』は確実にその枠の映画である。低予算ながら「やったったで!」という気迫を感じられる一本だ。

見慣れた街がいきなり戦場に! おっさんと女子の逃避行はどうなる!
『ブッシュウィック』は、大学院生のルーシーが家族に彼氏を紹介するためにニューヨーク州・ブッシュウィックの地下鉄の駅に到着した場面から始まる。なぜか誰もいないホームを訝しみながら地上に出ると、そこはヘリが旋回し銃弾が飛び交う戦場になっていた! 爆発に巻き込まれて彼氏は死亡。見慣れた街では真っ黒い装備を身につけた兵士が、住民を無差別に射殺している。パニックになりつつも逃げ込んだ地下室でルーシーは暴漢に襲われ、あわやというところで謎の男スチュープに助けられる。

大混乱の中でも落ち着いて行動するスチュープ。ルーシーはそんな彼に半ば無理やり同行する。道中では謎の武装集団に銃撃されつつも、ひとまずルーシーの実家へと向かうことに。一体この武装集団は何者なのか。目的はなんなのか。そして戦場と化したブッシュウィックの街で、2人は生き残ることができるのか。

「ニューヨークがいきなり戦場に!」というアイデア一発を、とにかく強烈かつ低予算に料理しようという意欲がムンムンに漂う。駅から出た途端に爆発、彼氏死亡、逃げるルーシー……という流れで話が進むのだが、特に建物は燃えたりしてないし、大爆発したり車が吹っ飛んだりというシーンはだいたい効果音のみで処理されている。でも迫力がないわけではなく、常に動き続けるカメラと銃声に追い立てられるルーシーで十分緊迫感は表現できている。「お金がない! しかしこういうシーンは撮りたい! だからやるしかない!」というトンチが効いているのだ。

トンチで言えば、スチュープ役にデイヴ・バウティスタをキャスティングした点もそうである。なんせ元プロレスラーで格闘家だから、殴り合いのシーンの身のこなしが素人とは別次元。特に人間を担ぎ上げて叩きつける時に片手を相手の足の付け根にスッと滑り込ませる動きにはシビれた。それだけではなく、ルックスも声も演技も激シブ。去年の『ブレードランナー2049』以来の「渋い方のバウティスタ」が満腹になるまで楽しめる。

謎の武装集団に襲われたブッシュウィックでは、各地で市街戦が発生する。その主力となっているのがあちこちに潜伏しているストリートギャングと、彼らが溜め込んでいる銃であるという理屈もオタク大興奮のディテールだ。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

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