2011年12月27日(火)大宮ソニックシティ大ホール、2012年1月7日(土)柏市民文化会館で行われる「23人のプリキュアがダンスライブ!プリキュアオールスターズDXコンサート~みんなで歌って踊って 主題歌オンパレード!~」。
歴代「プリキュア」シリーズの主題歌を担当した歌手が勢ぞろいする、今年最後、そして来年一発目から最大の「プリキュア」イベントが行われる。

コンサートの打ち合わせ終了後、五人の歌手のみなさんに集まっていただいた(残念ながら「ふたりはプリキュアSplash☆Star」オープニング担当のうちやえゆかさん、「フレッシュプリキュア!」エンディング担当の林ももこさんは欠席)。
7人の歌手と23人のプリキュアが大集合するのはこれがはじめて! 前代未聞のコンサート、いったいどんなことになるのでしょう?


30人の大集合

――さっきまでコンサートの打ち合わせ、お疲れ様でした。
工藤 はい! ちょっと大変でした。でも楽しかったよね。
宮本 うん、今集まってる5人とあと2人(うちやえゆか、林ももこ)の7人全員が揃って歌うのってこれで2回目なんですけど、久しぶりだしすごく楽しみだよね。
――今年2月に大阪で行われた「朝日放送創立60周年記念 プリキュアオールスターズ スペシャルコンサート」ですね。
観にいきました。楽しかったー。
茂家 わー、ありがとうございます!
工藤 前回は京都フィルハーモニー室内合奏団さんのオーケストラに合わせて歌いましたよねえ。
五條 割り振りも話し合ったよね。今回はじめて歌う曲もあって、CDのバージョンとは違う歌い分けなので、それをどうしようかって。
池田 あと、7人いるのでステージ上での立ち位置をどうしようか。
あんまりステージ上でバタバタ入れ替わるのも大変だなと。
――歌手7人と、歴代プリキュアの着ぐるみ大集合するんですよね!
工藤 そうです、全員集合です。
茂家 「ふたりはプリキュアMaxHeart」「ふたりはプリキュアSplash☆Star」「Yes!プリキュア5GoGo!」「フレッシュプリキュア!」「ハートキャッチプリキュア!」「スイートプリキュア♪」の6シリーズ。えーっと、ぜんぶで……。
宮本 23人!
茂家 私たちも入れたら30人!
工藤 大阪のコンサートのときは「スイートプリキュア♪」のキュアビートとキュアミューズがいなかったので21人だったんですけど、今回またさらに大集合です。
五條 ステージ上でプリキュアオールスターズが揃ったときのお客さんの反応はすごいよね。
「ウオー!」みたいな。
池田 今年の夏にイベント会場で上映していた「プリキュアオールスターズ 3Dシアター」を再現したようなステージになると思います。
宮本 衣装もみんなで決めるんですよ。
――タイトルには「ダンスライブ」とついていますね。
池田 大人も子どももみんなが楽しめるダンスライブのイメージですね。


レコーディングが一発勝負

――みなさん、それぞれどうやって「プリキュア」の主題歌を担当することになったんでしょう。
初代「ふたりはプリキュア」のときはどんな?
五條 まだ曲も歌い手も決まっていないコンペの状態だったんですよ。みんなは「あ、『プリキュア』の曲をやるんだ」って思っていたかもしれないけど、私のときは新番組だから「次こういう作品をやるよ」としか聞かされていなくて、どういうものかもわからなかった。
宮本 私、実は「ふたりはプリキュア」から参加しているんですよ。
――おお?
宮本 東映アカデミーの子役陣で結成された「ヤング・フレッシュ」という児童コーラスに所属していたので、「ゲッチュウ!らぶらぶぅ?!」や「MaxHeart」の「ムリムリ!?ありあり!!INじゃぁな~い?!」のコーラスで参加していたんです。その縁があったからなのかな?「『プリキュア5』の主題歌オーディションがあるよ」って声をかけてもらったんです。
――そうだったんですね。
「プリキュア5」のオープニングのほうは?
工藤 「プリキュア」の音楽プロデューサーの方に「オーディションがあるけどどう?」って紹介してもらって、デモテープに歌を録音して送っていました。それを何回か繰り返していたんですよ。5次審査くらいまでやって、ようやく「合格です!」って。
――どんな曲を歌ったんですか?
工藤 五條さんの「DANZEN!ふたりはプリキュア」です。
――へえ~!
工藤 それまでの「プリキュア」の主題歌は五條さんと、うちやえゆかさんが担当していて、ふたりともとても上手で綺麗な歌い方をしている。「その流れに私が入って大丈夫かな……?」って不安がすごかったです。
ほんとうに必死でした。
五條 うちやえさんも、最初はちゃんとしたお姉さんだったのにね。「ちゃんとがんばろうね、大丈夫だよ」みたいな。
宮本 そうでした(笑)。
五條 でもいまはまかせてって言われても、「まかせられない、いやいいです」って。
――噂には聞いていましたが、うちやえさん……そんなキャラクターなんですか(笑)。「フレッシュ」のオープニングは?
茂家 「Lets!フレッシュプリキュア!」はもう決まっていて、仮歌が五條さんだったんですよ。
工藤 そうなんだ、それ聞いてみたい!
五條 「Splash☆Star」のオープニング「まかせて★スプラッシュ☆スター★」も私が仮歌だった。最初のころはみんな私が歌っているんじゃないかな。
茂家 「合格」って聞いたときはすごくテンションが上がったんですよ。でも、学校帰りで、ガストで友だちとしゃべっていたときだったので「あーどうしよう~」って(笑)。その時点ではまだ「プリキュア」の曲を歌うって言えないから……。
池田 なんか話を聞いているとだいぶ違う。「ハートキャッチ」のときは、オープニング「Alright!ハートキャッチプリキュア!」とエンディング「ハートキャッチ☆パラダイス!」は完成していたんですよ。でも、レコーディングが一発勝負で、途中で歌詞を間違えたりしても、それを審査に出される。
――チャンス一回だけなんだ!
池田 はい。そんなの緊張するじゃないですか。だから、音あわせで流してもらえる仮歌さんの曲を何回も聞いて覚えていました。「もういいですか?」って言われるまで(笑)。それでいざ本番。
――「ハートキャッチ」のエンディングは工藤さんも歌っていますけど、同じ?
工藤 そうですね。いままでデモテープを送っていたのに、あれ? って(笑)。
――「スイート」は?
池田 私はオーディションをしました。
工藤 そうなんだ、私はなかった。


二年目の真由ちゃんはことばの出方が変わっていた

――はじめて「プリキュア」イベントで歌った時って覚えています?
茂家 「フレッシュ」の放送一日前に池袋サンシャインで行われた「おひろめカーニバル」がはじめて大勢の前で歌ったときなんですけど、緊張しかなかった……。
工藤 茂家っちはソロで歌うのって、「プリキュア」がはじめてだもんね。
茂家 そうなんですよ。
宮本 私はエンディングを担当しているから、いつも工藤さんのあとなんですよ。それをいつも舞台袖から応援していて、「あ、こんな感じにやればいいんだ!」って。
工藤 いっつも「どうでした?」って。
宮本 そうそう、それを聞いて「私もがんばろう!」と(笑)。最初はステージでサウンドチェックをしても音の返りがどうなっているかとかぜんぜんわからなかったので、ぜんぶ工藤さんにお世話してもらいました。
工藤 ほんとにねー。私は当時、Chix Chicksというコーラスグループに所属していたので、人前で歌ったことは何度かあったんです。でも「プリキュア」を観にくるのはほとんど子どもじゃないですか、大きなお友だちもいますけど(笑)。
――子どもたちの反応ってすごいですよね。全力で歌って、踊って。ステージ前まで走っていっちゃう子とかいたり。
工藤 はい。五條さんやうちやえさんが歌っているDVDを観て、どんな感じなのかは研究していたんですよ。でも、観ているだけじゃわからないことはたくさんあるんですよね。それに楽屋では佳那ちゃんがうるさいしで。
宮本 えー! いやいやいやー、そうかなー?
工藤 うん、佳那ちゃんに助けられてリラックスできてたんだよ。
宮本 えへへー!
五條 真由ちゃん、「プリキュア5」から「GoGo」になるときにすごい変わったんですよ。
――どんなふうに?
五條 表情かな。1年間イベントで子どもたちと触れ合ったからだと思う。JPOPを歌うときは、一音一音気をつけたり、一言一言前にだそうとはあまり思わない。それより、ニュアンスや雰囲気、グルーヴを重視するんです。でも「プリキュア」のような子ども向けの曲は、Aメロ、Bメロ、Cメロ、サビ、ぜんぶ前に出す、お客さんたちのほうに向けるように歌わないと伝わらない。二年目の真由ちゃんはことばの出方が変わっていたんだよね。
工藤 「プリキュア」を歌うようになってから、感情やことばの意味、表現の仕方を昔より考えることができるようになってきたと思います。


「プリキュア」に感受性を育ててもらいました

池田 私もレコーディングのとき「ことばを前に吐き出して」って言われました。「プリキュア」は日曜朝8時半だから、朝いちばんじゃないですか。どアタマから子どもをたたき起こすように歌いました。
――ははは、すごい。もう最初からわかっていたんですね。
池田 いや、私、最初は笑顔がひきつっていたんですよ。イベントをやるたびにそれをいろいろな人に言われて。でも、最近は無理に笑おうと思わなくても、自然な笑顔がでるようになりました。子どもたちが私の歌に合わせて、いっしょに歌って踊ったりしてくれるだけでうれしい。
工藤 彩ちゃんは「ハートキャッチ」のときに比べて、表現の仕方がすごい慣れた感じがする。
池田 もともとリアクションが薄いんだけど、プリキュアに出会ってから変わった。
五條 感情が生まれた?(笑)。
池田 「プリキュア」に感受性を育ててもらいました。
工藤 お母さんからも感謝されたもんね。
――なんですかそれ(笑)。
池田 お母さんが「うちの子をこんな感受性豊かにしてくれてありがとうございます」って。それは親の仕事だと思うんですけど。
――ははは。すごい。工藤さんから見ても池田さんはそう見えてた?
工藤 はい。そんなに喜怒哀楽激しいほうではないですね。私は激しいので、ほんと真逆でした。楽屋ではちょいちょい自分を出していたんですけど、同じように本番でも自分を出したらいいのにって。
池田 いまはもうことばに表情が付いたんじゃないかなと。みんなで楽しもうという気持ちが強いですね。
工藤 映画とか観に行って泣いているのを見ると、「彩ちゃん泣いてる、よかった~」って思うよ(笑)。
五條 「プリキュア」の主題歌を担当するようになると、イベントで子どもたちの反応が見られるし、みんないっしょに歌って踊ってくれる。そういうのを見てはじめてわかったことってあるよね。番組のなかでも歌い手がいちばん直接子どもたちと触れ合う機会が多いと思うんですよ。こんどのコンサートでも、来てくれたみんなの笑顔に、私達も笑顔で返せたらいいなと思います。
(加藤レイズナ)

後編

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