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プラスチック製ストローはやがて無くなる? 世界的な問題となってきたゴミ問題

2018年7月11日 20時00分

ライター情報:仲野博文


アメリカのミレニアル世代が「新しい情報をアップデートする」という意味で使う「Woke」をタイトルの一部に組み込んだ本コラムでは、ミレニアル世代に知ってもらいたいこと、議論してもらいたいことなどをテーマに選び、国内外の様々なニュースを紹介する。今回取り上げたいテーマは「プラスチックごみ」。環境への影響が問題視され、プラスチック製ストローの代替品を導入する企業や自治体も登場したが、多くの国がこれまで見て見ぬふりをしてきたのも事実だ。なぜプラスチックごみ問題が最近になって大きく取り上げられるようになったのだろうか。

プラスチック製ストローなどの禁止に踏み切ったシアトル
他の自治体や企業でもプラスチック製品の使用を控える傾向


画像はイメージ

米大手コーヒーチェーンのスターバックスは9日、2020年までに全店舗でプラスチック製のストローの使用を廃止することを発表した。コーヒーチェーンとして知られるスターバックスだが、アイスコーヒーやフラペチーノといった商品にはストローが不可欠だ。スターバックスはプラスチック製ストローの廃止を段階的に実施する方針を発表しており、スターバックスだけで1年間に10億本以上使われているプラスチック製ストローの代替品として、紙製もしくは生分解性ストローの導入が検討されているのだという。

スターバックスの本社がある米ワシントン州シアトルでは、1日から飲食店で使い捨てのプラスチック製ストローの提供を禁止する条例が施行されている。スターバックスを含む、市内ある約5000の飲食店が対象となっており、違反が見つかった場合には日本円で約3万円の罰金が店側に課せられるという厳しい内容だ。自治体としてプラスチックに対する厳しい対応を見せたシアトル市だが、同様の条例はサンフランシスコや、東海岸のニューヨークでも導入される可能性が高まっている。

企業や自治体がプラスチック製ストローの使用に規制を設けようと動き出した背景には、世界的規模で増え続ける「プラスチックごみ問題」の存在がある。カリフォルニア州に本部を置く「プラスチックオーシャン基金」は、環境保護の観点から個人のプラスチック製品の使用頻度を減らすべきと警鐘を鳴らしているが、我々の生活からあらゆるプラスチック製品が無くなることを想像するのは困難だ。

プラスチックオーシャン基金の調査によると、世界中で一年間に製造されるプラスチック製品の総量は3億トンに達し、800万トンのプラスチックごみが海洋投棄されている。毎年製造されるプラスチック製品の半数以上が、レジ袋やストロー、カップなどで、日々の生活の中で個人によって使われ、そして捨てられていく物だ。レジ袋やゴミ袋といった、プラスチック製の袋は全世界で毎年5000億枚が使われており、1分間に100万枚以上が使われていく計算となる。また、アメリカだけで年間1000億本以上のペットボトル飲料が販売されており、アメリカ国内で出されるごみの約14パーセントがペットボトルなのだという。これにはキャップやラベルは含まれていない。

海洋投棄されたプラスチックごみが生態系を破壊するという指摘は以前から存在したが、6月にタイ南部の海岸で衰弱しているクジラが発見され、そのクジラが間もなくして息を引き取ったことが大きく報じられた。このクジラは、ポリ容器やプラスチック製の袋など8キロ相当のごみを飲み込んでおり、これらを誤飲したことが死因とされている。研究者の間では、これまでに海に捨てられてきたプラスチックごみの総量が、世界中の海に生息する魚の総量を超える日はそう遠くないという見解が強い。

ライター情報: 仲野博文

ジャーナリスト。1975年生まれ。アメリカの大学院でジャーナリズムを学んでいた2001年に同時多発テロを経験し、卒業後そのまま現地で報道の仕事に就く。10年近い海外滞在経験を活かして、欧米を中心とする海外ニュースの取材や解説を行う。