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公道を走る自動運転バスの試乗会に参加 緊急時に運転手が対応するレベル3の実証実験

2018年9月12日 11時00分

ライター情報:すがたもえ子


運転手なしで車が動く。そんな自動運転システムの開発が進められている。まだまだ実用までは時間がかかるのではと思っていたのだが、小田急が9月6日~9月16日の間、江ノ島で自動運転バスの実証実験をするというので取材してきた。


自動運転レベル3の実証実験


出発式の会場となったのは、藤沢市江ノ島にある小田急ヨットクラブだ。江ノ島は神奈川県の相模ロボット産業特区に指定されている場所でもある。2013年に、さがみ縦貫道路を使った初めての自動運転システムの実験が行われ、ここ藤沢市でも「ロボネコヤマト」(自動運転車による配送)や「ロボットタクシー」などの実験が行われてきた。
このバスが自動運転バスだ

さまざまなケースで実証実験を行ってきた自動運転バスだが、江ノ島のような人が多く訪れる観光地での公道実証実験は、日本でも初めての試みとなる。
相模原のロボット特区の表示もある
神奈川県知事の黒岩祐治氏らの挨拶が終わり、テープカットへ。いよいよ試乗が開始される!

今回の実証実験は、SBドライブの協力のもと自動運転「レベル3」で行われる。レベルごとに安全維持がされていて、レベル3は「限定の条件の下でシステムが全ての運転タスクを実施し、システムが要請したときのみドライバーが対応する」というもの。基本的には自動運転ではあるが、ドライバーが運転席に乗車してハンドルに手を添える準備をしながらの走行となり、公道での予期せぬ緊急事にすぐに対応できるようにしている。

第一回目のバスが走りゆく姿を見守っていたが、「自動運転実証実験中」というパネルがなければ、自動運転で動いていることはわからないのでは、と思うほど違和感はなかった。動きは比較的ゆっくりな安全運転といった感じだ。

いよいよ試乗へ


小田急ヨットクラブから片瀬江ノ島駅付近まで、往復で15分程度の道のりが今回の実証実験の場所となる。

まず、小田急ヨットクラブの駐車場を出るところと、路上駐車をよけるところは手動運転だった。今回の自動運転バスは走行技術としてGPSを使用している。GPSというとスマホなどで利用すると正確な位置との誤差が出てしまうことがある。このGPSのずれを防ぐために、自動運転バスでは携帯電話の基地局から補正信号を送っている。これによって誤差10センチ程度まで精度が上がり、ルート走行が可能になった。前方後方、側面に取り付けられているカメラによって障害物を感知し、減速、停止できるようになっている。
ドライバーの手がハンドルから離れている

信号を感知する仕組みも構想中だが、実用段階ではないのでドライバーが対応する。
バスは小型バスで、座席は9名分ほど。車内には運転手席の様子が見えるよう、モニターに映像が映し出されている。

バスは滑るようにスーッと静かに動くので、ドライバーが運転していない自動運転だということを忘れてしまいそうになる。車内の様子はモニタリングされていて遠隔監視システムを利用して、離れた場所にあるモニタリング室へと映像が送られている。システムによって車両の位置を遠隔で見守り、モニターによって車内トラブルや予想外の障害物などがあった場合、必要に応じて警察へ連絡することを想定しているという。
将来的にはドライバーもいなくなるのだろうけれど、こうやってきちんと自動運転バスの安全が考えられているのだ。
正面と右下のモニターに自動運転システムの制御の様子が表示されている

車内では、乗客の頭の位置とその動きをモニタリングして、危険がないかなどをチェックしている。そのため走行中に乗客が歩くと「走行中は移動しないでください」とバスに注意されてしまう。あまり知られていないが、バスの事故の3分の1は車内事故だという。自動運転でもそうじゃなくても、走行中の移動は危険だ。停車してからの移動を心がけよう。
バスの前方、側面、後方にカメラやLiDAR(Light Detection and Ranging)が設置されている

バス業界は地域バス会社の82%が赤字(国土交通省調べ)という状況と、生産人口減少によるドライバー不足が深刻化しており、運転免許を持っていない交通弱者も増えてきている。自動運転バスはそれらの問題の解決策としても期待されている。
(すがたもえ子)

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ライター情報: すがたもえ子

旅と祭と妖怪と温泉が大好物なフリーライター。面白そうなこと大好き。猫をこよなく愛しています。