0

魚だって右利き・左利きがある「左右性を決める要因は?」名大

2016年2月1日 15時18分

アフリカ・タンガニーカ湖に生息する獲物の小魚の鱗をはぎ取って食べるカワスズメ科のペリソーダス・ミクロレピス(提供:名古屋大学)

[拡大写真]

 人間に利き手があるように、魚もエサとなる小魚を捕食するとき、獲物の片側から襲う「利きあご」があることを、名古屋大学などの研究チームがアフリカの湖に生息する鱗食魚の調査で明らかにした。



 名古屋大の小田洋一教授らのチームは、タンガニーカ湖に生息するカワスズメ科の魚について、捕食行動における右利き、左利きの「左右性」がどのように獲得されるのか調べた。



 対象としたのは「ペリソーダス・ミクロレピス」という、魚の鱗をはぎ取って食べる鱗食魚で、この種類は、左あごが発達して口が右に開くものを「左利き」、その反対に右あごが発達して口が左に開く「右利き」と、人間の利き手と同じはっきりした左右性がみられるのが特徴だ。



 チームは体長22ミリ~45ミリ前後までの幼魚から、115ミリまでの成魚まで、さまざまな生育段階の魚の胃の内部を分析した結果、鱗を食べ始めた幼魚では、獲物の小魚の左右両側の鱗が出てきたが、成長するにしたがって、利きあごと合致した片方の鱗ばかりが出てくるようになった。



 鱗を食べるようになる前のプランクトンを食べている時期の幼魚では、あごの左右差は2%ほどだったが、成魚になるとその差が開き、10%以上に達することが判明した。



 研究チームは「あごの形の左右差は捕食行動の左右差と同様に、成長にともなって拡大し、下あごの左右差が大きい個体ほど、餌を採るのに有利だ」と話している。



 小田洋一教授は「ヒトを含めて、生物の発達段階を通じて左右性がどのように獲得されるかを追跡した研究は他に類がなく、同じ種に右利きと左利きが存在するには、遺伝的な問題のほかに学習や経験など環境的な要因が考えられる」として、鱗食魚の実験で得られた成果は「左右性がどのように脳内で制御されるのか、長年の謎の解明に結びつく」と話している。



 なおこの研究成果は、米科学誌「Plos ONE」電子版に掲載された。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

「魚だって右利き・左利きがある「左右性を決める要因は?」名大」のコメント一覧 0

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!