0

「立ちすくむ国家」経産若手官僚の警鐘(後編)

2018年1月19日 11時00分 (2018年1月20日 10時41分 更新)

“定年後”の概念を覆せ、無意味な世代間対立をやめよ――異例の150万ダウンロードを記録したレポート『不安な個人、立ちすくむ国家』を作成した経産省若手プロジェクトチーム3名と、彼らと同世代の社会学者・古市憲寿氏に議論をしてもらった。


 就職や結婚、定年後など、個人に提示される選択肢が増えたことの問題点とは――。


※ 「立ちすくむ国家」経産若手官僚の警鐘(前編) から続く


◆ ◆ ◆


■個人の「選択」の難しさ

古市 その「選択」について、単行本に収録されている養老孟司さんとの対談で、面白い話が出ていました。皆さんのレポートを読んでいると、「個人の選択」を重視しています。それは社会全体の風潮でもあるでしょう。でも養老さんは「日本人は選択が苦手だ」とおっしゃる。その上で「落ち着くところに落ち着く」「場の空気で決まったこと」というのもありじゃないか、と指摘しています。僕もこれは一面で真実を突いていると思います。


 自分の家族の話ばかりで恐縮ですが、先日、祖母が亡くなりました。生前、本人も家族も必要以上の終末期医療は要らないと考えていたのですが、点滴を続けないと生きられない状態になってみると、周囲はなかなか「点滴を止めましょう」という選択ができない。勇気ないんです。


宇野 それはすごくわかります。


古市 「すべて個人の選択です」と言われても、自分や家族が、社会的、肉体的弱者の立場に立たされた場合、本当に能動的な選択なんてできるのでしょうか。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!