4戦無敗ダノンプレミアムの回避で一転、混戦ムードが漂った牡馬クラシック第1冠・第78回皐月賞(15日=中山芝内2000メートル)は、7番人気のエポカドーロ(牡・藤原英)が2着サンリヴァルに2馬身差の完勝。人気を集めたワグネリアン、ステルヴィオ、キタノコマンドールは揃って馬券圏外へと消えた。鞍上・戸崎圭との見事なコンタクトがその波乱劇を演出したとも言えるのだが…。人馬の“マジック”をさっそく振り返ろう。
ライバル15頭の動きを完璧に支配した。“技あり”の第1冠制覇だ。
宣言通りハナを主張したアイトーンにジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロが絡み、2ハロン目から刻んだラップは11秒0→11秒9→11秒5。馬場(稍重)を思えばもちろんハイペース。通常の展開なら後続にもチャンスは十分あったはずだ。だが、4番手につけた戸崎圭=エポカドーロがこの流れを完全に分断した。
「1頭ならまだしも、3頭が横並びで行っている分、プレッシャーもある。前はきついだろうと思っていた」(戸崎圭)
ペースを上げる先行勢とは対照的に、2ハロン過ぎから逆にペースダウン。そのため前3頭との差は10馬身以上に開いた。
「ああいう形は予想していたが、ベストの展開になってくれた。実質、単騎の逃げでしたね」
藤原英調教師が振り返ったように、エポカドーロの5ハロン通過は61秒強。前3頭を別にすれば本質はスローペースになる。レースを支配したその姿は、逃げ馬を完全に無視して2番手で運んだトライアル=スプリングSそのものだった。…
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