運動会シーズン真っ盛り。子どもの頑張りをママは食事の面でしっかりサポートしてあげたいけど、運動会当日にはどんなものを食べさせてあげれば良いの? 「食の学び舎くるみ」を運営する「日本体育協会公認スポーツ栄養士」の中野ヤスコさんは言う。


●運動会当日は栄養バランスを意識しすぎなくてOK

「当日の朝に摂りたい優先順位は、糖質とタンパク質です。糖質は脳を働かせるために重要で、不足すると、脳の働きが鈍ったり、判断力が低下したりする原因になります。また、タンパク質は、朝に下がっている体温を上げてくれ、体を動かす働きをします」(中野さん 以下同)

糖質は、おもにごはんやパン、麺類などの主食。タンパク質は卵や肉、魚、大豆など。これらは運動する前にもっとも重要なものだが、かといって朝から食欲がないようなら、無理に肉などを食べさせる必要はない。また、野菜やフルーツなどの繊維の多いものも食べられる範囲でOKとのこと。


「朝食のオススメの一例は、ごはんと納豆、卵、味噌汁など。普段食べているもので消化の良いもので十分です。練習疲れや緊張で胃腸が疲れているので、特別なメニューは控えること。日頃からバランスのとれた食事をしていれば、運動会当日はエネルギーに変わりやすい、消化のよい糖質中心の食事を心がけることを優先し、気持ちよく運動会に出発しましょう」

●午後の部が少ない場合は、行楽弁当も◎ 麺類もオススメ

また、お弁当は幼稚園や小学校低学年の場合、午後の部は出番が少ないこともあるので、その場合は「行楽的な楽しいお弁当」で良いそう。

例えば、おにぎりや小さいサンドイッチなど。また、糖分は疲れている体にすぐにエネルギー源になることから、バナナやみかん、ぶどうなどのフルーツも、ご褒美的に持たせると子どもが喜んでくれやすい。


短時間で慌ただしく昼食をとる場合も多いが、そうしたときにオススメのメニューは?

「秋の運動会はまだまだ暑い時期なので、そうめんやうどんなどの麺類は食べやすいですよ。麺を茹でて水をしっかり切り、タッパーなどに入れて、サラダチキンなどのタンパク質や野菜を添え、めんつゆを持っていくと、パパっと食べられます」

ちなみに、子どものお弁当の定番といえば唐揚げが思い浮かぶが、油が多く、消化が良くないため、できれば量を控えめにすることが望ましいとか。

日頃の食事バランスを整えたうえで、運動会当日は、すぐエネルギーになる炭水化物とタンパク質を多めにすることを心掛けたいものだ。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)

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