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ベージュはベーシックだけど難しい色。失敗をふせぐ方法は…

2018年9月20日 15時47分

特にスーツの場合、同じブランドのベージュを合わせることがポイント ※画像:WEAR

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【モードをリアルに着る! Vol.48/小林直子

 ベージュはグレーと双璧をなす人気のベーシックカラーでしょう。

 ほとんどの人が過去に1枚ぐらいは何かしらベージュのアイテムを買ったことがあると思います。例えばトレンチコートと言えば多くのものがベージュです。

 しかしこのベージュ、グレーに比べたらだんぜん難しい色であるということも事実です。それはなぜでしょうか。

◆ベージュは無数のバリエーションがある

 手元にある文化出版局から出ている『ファッション辞典』によると、ベージュの定義は次のようなものです。

「現在は薄い茶色に着色した色の総称的で、大衆化された色名」

 ベージュとは、つまり茶色の薄いバージョンです。例えばペンキや絵の具などで茶色を作る場合は、青、赤、黄色を混ぜるか、もしくは赤、黄色に黒を混ぜればできます。それに白を足すとベージュはでき上がります。

 一方、グレーを作る場合は黒と白を混ぜればいいだけです。

 薄い茶色であるベージュを作る際の色の組み合わせは無数にあり、結果、ベージュにも赤が強いもの、黄色が強いもの、そしてその薄さの度合いなど、多くのバリエーションができます。

 このことがベージュを難しくしている理由です。ベージュとひとくくりに言っても、ミルクティーのようなものから、砂や石のような色まで多岐にわたっています。

 では、そんな難しいベージュをモードに着こなすにはどうしたらいいか、オルセン姉妹が手掛けるいつでもクラシックで、流行に左右されず、長く着られるスタイルを提供しているザ・ロウの2018年プレフォールのコレクションから見ていきましょう。

◆ベージュのグラデーションが美しいザ・ロウのスタイル

 見るからに上質そうなウールのトレンチコートにほぼ同じ色のパンツ、そしてわずかに明るい黄色に傾いたベージュのシルクシャツ。足元は茶色のローファーというごくシンプルなスタイルです。

 このシンプルなスタイルをモードに見せているのは上質な素材と高度なカッティング技術、そして何よりもベージュの色遣いです。

 黄色よりの薄い茶色からローファーの濃い茶色へとつながる見事なグラデーションは、ありきたりに見えてしまうベージュのルックをモードなものへと格上げしています。

 なぜこんなにも美しいグラデーションができるのかといえば、色出しから生地を作っているからでしょう。

 ブランドというものは服のメーカーではありますが、生地メーカーではありません。ですから生地は生地メーカーから買います。

 そのときに小さなブランドや弱小ブランドの場合、生地メーカーが提案する、もう既にある色のついた生地を買うことになりますが、それなりに大きなブランド、もしくはハイブランドになると、自分たちの望みの色に生地を染めるよう生地メーカーに指定します。

 そうすることによって、そのブランドの好みの色合いを作り、その結果、望みどおりの美しいベージュのグラデーションのルックを作ることが可能になります。

◆ベージュで失敗の理由は…

 ひるがえって消費者である私たちは、もう既にあるベージュのアイテムを買うことしかできません。

 前述したように、ベージュと言っても、その色の幅は膨大です。そのことを無視して、ただベージュというだけで買っていくと、実にさまざまなベージュを集めることになり、このザ・ロウのルックのような美しいベージュのグラデーションを作ることはできません。

 ほとんどの人のベージュの失敗はここにあります。あまりに見境(みさかい)なくいろいろなブランドでベージュを買い集めるため、ベージュ同士のアイテムを合わせることができないのです。

 中には、あなたにはベージュが似合うと言われ、たくさんのベージュをいろいろなブランドで買い集めたため、いろいろな種類のベージュを集めてしまい、どれを着てもなんだか色がおかしいということになってしまった人もいました。

◆ベージュを集めるのなら、同じブランドで

 ザ・ロウの先ほどのルックのように美しいベージュのグラデーションを作りたい場合はどうしたらいいか。よほど色の識別能力を持っていない限り、ベージュを集めるのなら、同じブランドで買いましょう。

 特にジャケットとパンツ、ジャケットとスカートなど、スーツの場合、違うブランドのベージュを合わせないようにしてください。色の識別が苦手な場合は、ベージュの色がずれていないことに気づかないかもしれませんが、見る人が見れば、その色のずれはわかります。

 ジャケットやコート、ブルゾンと、パンツ、スカートを同じブランドのベージュで買いそろえておけば、多少のずれはあったとしても、ほかのブランドで買うほど大幅に色がずれるということはないでしょう。

 大枠さえきちんとしていれば、オフホワイトのブラウスやセーターを合わせることも可能ですし、逆にダークブラウンのセーターを着ることもできます。

 自分の肌に合うファンデーションの色味を決めるときと同じぐらいの厳しい目で、自分の好みのベージュを識別するといいでしょう。

<文/小林直子

小林直子

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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