可愛がっていたペットを失うことは家族を亡くすに等しい。このほど愛する2匹のペットと永遠に別れ深い悲しみに暮れていた父親に、家族が素敵なサプライズをした。
米メディア『Inside Edition』『FOX 26 Houston』などが伝えている。

カナダのオンタリオに暮らすジェイリーン・ゼレブさんが、自身のFacebookに動画を公開すると76万以上もの閲覧数となった。動画は見る者の心を和ませ笑みを誘う。そこには犬を深く愛する人の優しさが垣間見えるからだ。

動画に映っているのはジェイリーンさんの父ジェイムズさんで、13年以上前にうつ病を患い苦しんでいたという。何をもってもジェイムズさんを励ますことができず悩んでいた家族だったが、妻のワンダさんがある日ビション・フリーゼの「ニモ」と名付けられた子犬を持ち帰ると、ジェイムズさんはたちまち元気を取り戻しニモをとても可愛がるようになった。


ニモはジェイムズさんのもう一人の子供となり、また親友となった。それから2年後、ニモには仲間が必要と思った家族は「ルーシー」という同じビション・フリーゼを家に迎えた。2匹の犬をジェイムズさんは可愛がり続けたが、不幸にも小型犬には一般的とされるうっ血性心不全が2匹の愛犬を襲った。

今年8月、ルーシーは心停止に陥り11歳で旅立った。悲しみが癒える間もなくその2週間後にはニモの容態が悪化。肺に液体が溜まり呼吸困難を引き起こすようになってしまったために、一家はニモを安楽死させるという苦渋の決断をしなければならなかった。
ニモは13歳でジェイムズさんのもとを去った。

愛する2匹の死で、ジェイムズさんの落ち込みは相当なものだった。ジェイリーンさんは「父の悲しみは深く、家族がニモとルーシーの話をすると部屋を出て行ってしまうか、泣き出すかという状況でした」と振り返っている。なんとかしてジェイムズさんに再び元気になってもらおうと、ワンダさんは10月に2人の娘ジェイリーンさんとジェイドさんを連れてブリーダーのもとを訪ねた。11月に子犬を引き取るために再び訪れた時には、1匹の犬がワンダさんの足元にまとわりついて離れなかったそうだ。母娘は、その子犬の名をルーシーとニモから取り「ルモ」と名付け、ジェイムズさんの少し早めの誕生日プレゼントのサプライズにするためにこっそりと家に連れて帰った。


そしてジェイリーンさんはソファに腰掛ける父親の前で動画を撮影し、誕生日カードを差し出した。カードには1匹のビション・フリーゼの写真が貼り付けられてあり、それを見た瞬間ジェイムズさんはニモとルーシーを思い出したのだろう、涙ぐんだ。さらにカードのメッセージを読み上げようとするも、その内容に声を詰まらせ嗚咽してしまう。泣き続ける父に代わって、ジェイリーンさんが「私が読もうか」とカードを受け取りジェイムズさんへメッセージを読み上げた。

「僕の名前はルモです。オスのビション・フリーゼです。
僕はニモでもルーシーでもないけれど、ジェイムズ父さんにもう一度ハッピーになってもらいたくてやってきました。ニモやルーシーと一緒に素敵な思い出を作ったように、これからは僕とも一緒に楽しい人生を歩んでいこうね。愛をこめて。ルモより」

子犬のルモをワンダさんが手渡すと、ジェイムズさんはさらに号泣した。しかしルモを抱きしめ「よく来たね」と繰り返し語りかけるジェイムズさんは、泣きながらも本当に幸せそうだ。思わず心が温かくなる動画を見た人々からは「お父さん、すごく心の優しい人なんだね」「なんて素敵な動画なの」「これからは新しい子犬とハッピーにね」「動画を見て私も泣いてしまった」「何度見ても美しい」といった感動の声が寄せられている。




画像は『Inside Edition 2017年11月12日付「Dad Sobs As Family Gives Him New Puppy After Their Two Older Dogs Died」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)