障がいを持つ娘が手術を終え、その後ギプスの装着を強いられることになった。母親は学校に行きたい娘のために、制服ではなくギプスがフィットするようにTシャツをカスタマイズし娘に着せて登校させた。
ところが学校側に「服装規定に反する」と言われてしまい、娘は帰宅する羽目になってしまった。英メディア『Birmingham Mail』『The Sun』『Mirror』などが伝えている。

英ウエスト・ミッドランズのソリフルに住むシャンテル・ストークスさん(27歳)は、娘のレーシー=ジェイちゃん(7歳)が通う小学校に憤りを隠せない。

レーシー=ジェイちゃんは地元のSmith’s Wood Primary Academy(スミスズ・ウッド プライマリー・アカデミー)に通っていたが、腕神経叢を損傷しており大手術をして休校していた。術後は上半身と左腕に12週間のギプス装着を強いられることとなった。

ようやく再登校できるようになり、学校で学ぶことを楽しみにしていた娘のためにシャンテルさんはTシャツをカスタマイズした。
学校の制服は白の半袖ポロシャツだが、それでは腕と上半身を固定させたギプスをフィットさせることができない。そこでシャンテルさんは、なるべく制服に近い白の長袖Tシャツを用意し、ギプスの邪魔にならないように左側の袖部分を短く切り左脇の下もカットして上半身に固定されているギプスがそこから通るようにした。そして制服のスカートと学校規定に沿った靴を履かせて登校させた。

ところがレーシー=ジェイちゃんのTシャツを見た学校側は、「服装規定に反する」と母親に伝えたのである。シャンテルさんは怒りを露わにし、このように話した。

「娘は別に服装違反をしているわけではありません。
誰が見てもギプスをフィットさせるためにこの服装をしているのだとわかるものでしょう。娘は制服であるポロシャツを着ようとしたのですが、ポロシャツは半袖なんです。ギプスを装着しているのでコートを着ることができず上着はポンチョを羽織っています。(寒いので)下には長袖を着せたかったからTシャツをカスタマイズしたのです。娘は障がいを持っているので手術が必要でしたし、その後も12週間はギプスをしなければなりません。だからその間はギプスがフィットする服装をしなければならないのです。
登校前日には学校に戻れることをとても喜んで泣いていたんですよ。なのに登校したその日に家に帰る羽目になって激しいショックを受けています。」

理解を示そうとしない学校側に激怒したシャンテルさんは、「服装違反と言われるのならば、娘を家に戻す以外に選択肢はない」と学校側と口論になった。ジョン・タルボット校長は「当校に通う全ての子供たちをケアする義務があり、個人的問題に関しては明かすことができません。今回は親が事態を公にしたので返答が適切と判断しました。児童の安全を確認しできるだけ早く学校に戻れるように配慮しますが、登校への同意の一つとして服装規定を守ってもらわなければなりません。しかしながら親は同意せず、話の途中で娘を学校から連れ出したのです」と話している。


「わが校はこれまで一切の苦情を受けたことはない」というが、このニュースを知った人たちは学校の対応に批判的だ。「これは不公平すぎる。もし子供が脚を骨折して靴を履けなくて脚にギプスをしていたらそれも服装違反なわけ?」「学校の服装規定は法的ではないから、学校側は理解を示すべき」「学校側としては子供に学ばせることが何より重要であってそれに優先順位を置くべきでしょ。子供がこんな状況なのに服装規定にこだわる学校ってどうなの」「私は子供の時ギプス装着をしたことがあるけど、からかわれたりするし登校するのは嫌だったな。でもこの子が学校へ行きたいなら、学校側はこの子が心身共に居心地いいと思えるように配慮すべきよ」「なんて校長だ。障がいを持つ子供に理解のかけらもない」といった声があがっている。


画像は『Birmingham Mail 2017年11月2日付「Mum ‘furious’ after being told her disabled daughter’s customised uniform does not meet school requirements」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)