オーストラリア政府は8日、同性婚を「合法」と定めた。これにより全豪各地では今、同性愛者のシンボルとしてより多くのレインボー・フラッグが風にたなびいている。
国民投票ではその法案に6割超が賛成を示し、議会でも賛成が圧倒的多数を占めたが、最後まで反対していた4議員のうちの1人がクイーンズランド州ケネディ選出の「カッター・オーストラリアン党」の議員ボブ・カッター(Bob Katter)氏。連邦議会下院での演説でとんだ問題発言を放っていたようだ。

「この地球において生命は35億年前に“異性のカップル”から誕生し、発達してきたんです。そこに突然ゲイが出現し、せいぜい60年かそこらだというのに、彼らは自殺してみたりエイズ(AIDS)にかかってみたり、もう大変なことになっています。」

「この国の男性の自殺率の高さと同性愛者の割合の高さには何らかの相関関係があると思いますよ。同性愛者が絡む殺人事件も2件起きましたが、非常に醜い愛憎のもつれが原因であったようです。それもこれも、ゲイとは人類の長い歴史においてDNAにプログラミングされてきた遺伝子の法則に逆らうものだからでしょう。」

「72人の子供がHIVウイルス陽性者の血液を輸血されたとの報告もあります。
エイズ(AIDS)は静脈注射の打ち回しをする薬物使用者や同性愛者の病気ですが、“公平に”という考え方に基づけば、そんな同性愛者からの献血もアリとなるわけです。彼らは“公平”を主張する恐ろしい殺人者のようなものです。」

さらに「小学生や中学生の男の子がドレスを着たがる―そんな嘆かわしいことがまかり通ってもよいのでしょうか。女の子の子のスタイルで学校に通いたいと言い出し、頭が混乱してしまった母親の話を聞きました。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)はますますいい気になるのではないかと思います」と訴えたカッター議員。ひたすら嫌悪感と警戒心を強めているもようだ。

ただし彼のこうした意見にほかの議員たちはまったく耳を貸さず、「もうくだらない演説はやめておけよ」と野次を飛ばす議員まで。
しかしこれらの発言は、国会議事録にもしっかりと記録されたという。オーストラリアでは昨年秋、ニューサウスウェールズ州教育省が性同一性障害に悩む子どもに対して「辛ければ性転換手術も」と認めて波紋を広げていた。また南米コロンビアでは今年、裁判所が男性3人による結婚を合法と認めるなど、急進派がますます勢いを増している印象がある。

画像は『Metro 2017年12月8日付「Gay people ‘have only existed for 60 years’, MP claims」(Picture: EPA/Lukas Coch)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)