発達障害のひとつとされる自閉症を患う子供の中には、突然暴力的な行動に出てしまうケースもあるという。このほどイギリスで、5歳男児が10代少女に噛みつかれるという騒ぎが起こった。
当時この少女にお咎めがなかったことから、噛まれた男児の母親は落胆しているようだ。英メディア『The Sun』などが伝えている。

先月26日、英ピーターバラ市のマクドナルドでジェシカ・コリンズさん(Jessica Collins、25)は息子のチャーリー・ヴァイス君(Charlie Vyse、5)、娘のエルシーちゃん(2)と一緒に食事をとっていた。

親子はそこで思いもしない事態に見舞われた。見知らぬ10代少女が突然チャーリー君に近づいて「何て悪い子なの!」と言い放ち、噛みついて殴りだしたのだ。驚いたジェシカさんはチャーリー君を少女から引き離そうと抱き上げたが、少女は背中に噛みついたままで離れようとしなかったという。


必死の思いでチャーリー君を少女から引き離したがそれでも少女は攻撃を止めなかったため、ジェシカさんはチャーリー君を連れて店内のトイレに身を隠した。そのうち少女の母親が、娘を連れて店内を出ていくだろうと思っていたそうだ。

ジェシカさんはその場でチャーリー君の怪我を確認した。すると背中には血の滲んだ大きな噛み傷が残り、脚も出血していた。ジェシカさんは後に、このように話している。

「チャーリーの泣き叫ぶ声を耳にして、恐ろしくなりました。
たぶん今までで最悪な出来事です。母親であれば、身震いするような瞬間だったと思います。」

「少女は全体重をかけてチャーリーの上に覆いかぶさり動けないようにしていたため、どれくらいの強さで噛まれていたかは見えませんでした。とにかく恐ろしかった。」

「私はなんとか引き離しましたが、それまで少女はずっとチャーリーを噛み続けていたのです。その間は30秒ほどだったと思います。少女はチャーリーを噛んで、殴って、引っ掻いていました。」

「この後、チャーリーにどこが痛いか聞いたところ『全部痛い』と言ってました。そして背中の上のほうが噛まれており、血が出ていたのです。
私は血をふき取って出血が止まるよう傷を押さえました。」

この事件でチャーリー君は心にも傷を負ってしまったようだ。ジェシカさんはFacebookに、チャーリー君は恐怖心がぬぐえないせいか夜驚症にかかってしまったと明かしている。

さらにジェシカさんにとって、もう一つ大きな問題があった。今回のことを警察に伝えたが、少女が自閉症を患っていることから積極的な対応をしてくれなかったということだった。この件についてジェシカさんは、次のように訴えている。

「少女が自閉症だからという理由で、警察は真剣に取り合ってくれませんでした。
少女はまた同じことを繰り返すかもしれないのに、それを止めようとすることもないのです。少女の母親を探し出して話をすることで次の被害者を出さず、少女自身を救えるかもしれないんですよ。」

ジェシカさんの訴えが届いたのか、ケンブリッジシャー警察のスポークスマンは「我々は報告を受けてこの事件を調査しています。問題の少女は確認できています。これから男の子の家族と少女の家族、両方に考慮しながら対応していく予定です」と述べている。

画像は『The Sun 2018年8月15日付「BITE ATTACK Mum of boy, 5, pinned down and bitten by complete stranger at McDonald’s claims police did nothing because attacker was autistic」(IMAGE: KENNEDY NEWS AND MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)