今回の事件を受けて、ダム関係者は17日、「八田はプロの土木技師」だと言及。純粋な技術者の功績をたたえて建てられた銅像が「こんな仕打ちを受ける筋合いはない」とし、犯人に賠償を求める考えを示した。
また、18日には、元市議の男が銅像を壊す写真がフェイスブックに投稿され、そのページには、「切るのは誰の首であろうと、破壊行為で人目を引こうとしたのはゲス過ぎる」など、非難のコメントが多数寄せられている。
一方、銅像破壊の背景には、「相次ぐ蒋介石像への悪質ないたずら」や、「昨年5月の蔡英文政権発足後、強まる脱蒋介石化」があるとの見方もあり、一部の市民や政治家からは、社会の分断や対立の深刻化を懸念する声が上がっている。
医師の施景中さんは17日、「一番切るべきものは、過激な民族意識かもしれない」と述べた。
台中市の林佳龍市長も18日、「台湾の素晴らしいところは、多元性との共栄にある」とした上で、日本統治時代に始まった市内のインフラ整備などに言及。それらを全て文化の一部、社会の共同資産とする寛容さを持ってほしいと呼び掛けた。
(楊思瑞、趙麗妍/編集:羅友辰)