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白色テロ下の台湾で起きたえん罪事件 90歳女性が総統府に陳情

2017年12月7日 17時12分 (2017年12月12日 14時37分 更新)

黄屏藩さん(右)

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(台北 7日 中央社)白色テロ下の台湾で起きた「武漢ホテル事件」で有罪判決を受けた楊薫春さん(90)が6日、自身を含む全被告の名誉回復を求め、息子の黄屏藩さん(69)を通じて総統府に陳情した。総統府の張文蘭報道官は、楊さんの陳情に関する資料などを行政院(内閣)に送り対処するとした。

事件は1959年、台北市の武漢ホテルで1人の華僑が首を吊って死亡しているのが発見されたのを発端とする。当初は警察や検察により自殺と断定されたが、数カ月後に法務部(法務省)調査局が介入し、他殺とされた。楊さんはホテルの支配人、黄学文さんの妻で、黄さんや従業員ら6人と共に逮捕、起訴された。

1960年から1976年にわたり、被告は無実を訴えて上訴を繰り返したが願いは実を結ばなかった。黄さんには8度の死刑判決が下され、15年間服役した。1995年には裁判を打ち切る「免訴」の判決が出されたが、黄さんは「無罪」を求めた。裁判所は免訴を取り下げ、無期懲役を黄さんに言い渡した。黄さんをはじめ、被告は相次いで死去し、残るは楊さん1人となった。

息子の屏藩さんは、中央社の取材に対し、事件には不可解な点が多過ぎると訴える。調査局が介入した途端、自殺が他殺になったことや、鑑定書が日本に送られた後に紛失したと言われたことなどを挙げた。

えん罪を訴え続けてきた道のりを振り返りながら、涙を流す屏藩さん。蒋介石政権によって作り出された事件で、誤った事件だと語り、今向き合わなければ、移行期の正義とは呼べないのではないかと訴えた。

台湾では5日、過去の権威主義的な統治の下で行われた人権侵害やその真相究明を目指す「移行期の正義促進条例」が立法院(国会)で可決された。張報道官は、類似の案件についても法案の規定により、申請が可能だとしている。

(葉素萍/編集:楊千慧)
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