ストレスが原因で起こる抜け毛について解説します。
ストレスを感じた時に毛が抜ける仕組みや、ストレスで抜け毛が起きてしまった場合にどのような対策をすればいいかといったことを説明していきます。
自分で行える対策や専門機関でおこなえる対策などがあるので参考にしてください。
抜け毛とストレスは関係があるのか、またストレスによって抜け毛が起こる仕組みについて解説します。
正常な頭皮でも毛の生え代わりは定期的に起こっているため、毎日抜け毛が起こるのは普通のことです。
ただ、ストレスによって引き起こされる抜け毛というものもあり、そうした抜け毛は正常な抜け毛とは種類がことなります。
まずストレスによって起こる体の異常について確認しておきましょう。
人はストレスを感じると、自律神経の乱れと、ホルモンバランスの乱れがおこります。
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって体や心の調子を整えています。
ストレスがかかると自律神経が乱れ、交感神経が優位になって体と心の緊張状態を招きます。
逆に副交感神経が優位の時は心も体もリラックスして緩んでいます。
ストレスがかかり続けると、常に体が緊張して血管が収縮している状態のため血の巡りが悪くなります。
頭皮の血行も悪化するため毛に必要な栄養が届きにくくなり、抜け毛の増加などが起こってしまいます。
また交感神経が優位になると睡眠不足になりやすく、これも頭皮環境の悪化や抜け毛の増加を招きます。
強いストレスがかかると体内のホルモンバランスが乱れやすくなります。
女性ホルモンは毛の成長を促す働きをしますが、ホルモンバランスが崩れることで女性ホルモンが減少し、男性ホルモンの分泌が過剰となります。
男性ホルモンは毛の成長を阻害し、抜け毛の増加を引き起こします。
ストレスによって起こる抜け毛の症状について解説します。
強いストレスがかかった場合に起こりうる抜け毛の症状には以下のようなものがあります。
通常の髪の毛は以下の図のようなヘアサイクル(毛周期)で生え代わりが起こっており、毛は「成長期・退行期・休止期」の流れをたどります。
ストレスを受けると成長途中だった毛もすぐに休止期に入り、成長を止めて抜けていきます。
休止期脱毛が起こる原因はストレスだけでなく、栄養不足や睡眠不足など、他の要因が重なって起こる場合もあります。
毛髪が円形や楕円形に抜ける症状を円形脱毛症と言います。
脱毛する範囲は10円玉程度のものや頭部全体で起こるものなどがあります。
円形脱毛症が起こる原因ははっきりわかっていませんが、精神的なストレスを受けた際に自律神経が乱れ、栄養が毛根に行き届かなくなるという説や、自己免疫疾患が原因という説などがあります。
成人した男性で、抜け毛が増えて薄毛になる症状をAGA(男性型脱毛症)といいます。
AGAは遺伝や加齢などによって起こるとされていますが、ストレスも1つの要因です。
遺伝的にAGAになりやすい人が強いストレスを受けることによってAGAの症状が進行するというケースがあります。
逆に言えばストレスを減らしたり解消したりすることがAGAの進行を遅らせることにもつながる場合があります。
夏の暑さがストレスになり、ホルモンバランスが崩れて抜け毛が増えることがあります。
夏は他の季節に比べて紫外線も強いため頭皮にダメージを受けやすく、暑さによるストレスと紫外線ダメージなどの複数の要因が重なって抜け毛を起こりやすくします。
夏に受けた頭皮のダメージは秋ごろになってから表れるため、実際に抜け毛が増えるのは秋になります。
ストレスが原因で起こる抜け毛の特徴について解説します。
正常な頭皮でも抜け毛は起こりますが、ストレスが原因で起こる抜け毛は異常な抜け毛のため正常な抜け毛と特徴がことなります。
以下のような特徴がある場合、ストレスが原因で抜け毛が起こっている可能性があります。
ストレスが原因で抜け毛が起こっている場合、通常の抜け毛に比べて本数が多くなります。
正常な抜け毛でも1日に50本~100本程度は抜けますが、ストレスが原因の場合100本以上、200本以上と大量に抜ける場合があります。
ストレスを日ごろ強く感じている人で、朝起きた時に枕についている毛や、入浴時に浴室の排水口に溜まっている毛が多いように感じた場合は、ストレスが原因で抜け毛が起こっていることも考えられます。
またストレスによって起こる抜け毛は成長期の途中であることも多いため、十分に成長していない細くて短い毛が多くなります。
ストレスが原因の異常な抜け毛の特徴は毛根にも表れます。通常の毛根の色は根元に向かって黒から白へ移っていきますが、ストレスによって抜けた毛の場合は毛根全体が黒かったり全体が白かったりする場合があります。
抜け毛を見た時にこれらの特徴が当てはまり、最近ストレスを強く感じる出来事があったという場合、ストレスによる抜け毛の可能性があります。
ここからはストレスが原因で起こる抜け毛の対策や予防方法について解説していくので、参考にしてみて下さい。
ストレスによる抜け毛の対策について解説します。
ストレスによる抜け毛を予防するには以下のような方法があります。
ストレスによる抜け毛の対策や予防方法で大きな効き目があるのは、ストレス解消・ストレス発散です。
ストレス解消といっても何に手を付けたらいいかわからないという人は以下のポイントを意識してみて下さい。
ストレスを感じるものがはっきりしている場合は、一時的でもいいのでその対象からまず離れてみて下さい。
苦手なものや苦手な場所の近くにいるだけでも人はストレスを感じます。
学校や職場などでストレスを感じているという人は、休みの日に普段と全く違う環境に出かけてみるのも有効です。
手軽にストレス発散できる方法に運動があります。ウォーキングやストレッチといった簡単なことでも、身体を動かすことで血の巡りが良くなり、気分もリフレッシュできます。
普段ほとんど運動をしないという人は、いつもより少し多めに歩くといったことから始めてみて下さい。
湯船に浸かると血行が良くなり体がよく温まるため、心身ともにリラックスします。
また湯船に浸かる入浴方法によってよく眠れるようにもなるため、自律神経の乱れを整えることができ、抜け毛防止につながります。
人との交流が好きな人は、リラックスして話せる相手と意識的にコミュニケーションを取ってみて下さい。
電話で会話するだけでもストレス発散の効果が期待できます。
自然を見たり自然のある場所に行ったりすることは心の癒しにつながり、ストレスを軽減してくれます。緑のある場所を歩く、植物を部屋に飾るといったことでもいいでしょう。
また日中は日光に当たることも大切です。日に当たることで「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンが体内に分泌されるため、それだけでストレスが軽減されます。
ストレス発散の方法の中には簡単にできることもあるので、できることから試してみてください。
ストレスによって抜け毛が増えている時は、一度生活習慣や食生活の見直しをしてみましょう。
生活リズムが規則正しくなり、十分な睡眠がとれることで自律神経が整い、ストレスによって乱れた頭皮環境の変化にも期待できます。
また栄養バランスの偏った食生活を見直し、健康的な身体づくりに必要な栄養をしっかりとることで、毛髪にもしっかりと必要な栄養を行き届かせることができ、抜け毛の予防が期待できます。
抜け毛の原因となっているストレスがあまりにも強く、自分で対策が難しいという場合は専門機関に相談するのが有効です。
ストレスが原因でAGAが進行して抜け毛が起こっている可能性があるという場合は、AGAクリニックで相談することができます。AGAクリニックでは血液検査によってAGAのリスクがあるかどうかを診断してくれ、薄毛や抜け毛が抑えられるような治療や薬の処方を行ってくれます。
AGAクリニックについて詳しく知りたい方はAGA治療おすすめクリニック20院の費用・口コミを紹介!AGA治療薬の効果・副作用も解説の記事を参考にしてみて下さい。
抜け毛が心因性のものである場合は、精神科やメンタルクリニックなどでまず心の病気について治療したり薬を処方してもらったりすることが有効な場合があります。自分で判断するのが難しい場合もあるため、まずは一度相談してみて下さい。
10代の中学生や高校生で抜け毛が気になるという場合、ストレスが原因だったというケースは多いです。
学生生活を送る中で、受験勉強や部活動、友人関係や成績についての悩みなどストレスを感じる場面は多々あります。
強いストレスを日々感じていると自律神経が乱れ、頭皮の血行が悪くなって抜け毛が起こりやすくなります。
10代だけど抜け毛が明らかに増えてきたという人は、日ごろ感じているストレスについてや抜け毛の悩みについて家族や友人など話しやすい人に相談してみて下さい。
強いストレスを感じるような出来事が起きると3ヵ月後に抜け毛が増えるという噂がありますが、頭皮の状態やヘアサイクルは個人差があることもあり、明確な根拠は示されていません。
ただ、ストレスを感じる出来事が起きてから毛がすぐに抜けるわけではなく、ストレスによって頭皮環境が悪くなり抜け毛が起きるまでに時間がかかることは確かです。
ストレスが原因で起こる抜け毛について解説してきました。
強いストレスがかかると、自律神経やホルモンバランスが乱れて抜け毛が起きやすくなってしまいます。
ストレスによる抜け毛を予防するためには、日ごろからストレスを発散するように努めたり、規則正しい生活や運動を心掛けたりするといったことが大切です。
自分でどうにもならない場合はAGAクリニックのような専門機関に相談してみるのも有効です。