育毛剤にはいろいろな種類があり、“どの育毛剤が良いのか選べない”という声が少なくありません。
ここでは、育毛剤と発毛剤、養毛剤といった種類別に特徴を解説し、AGAに効く種類はどれか、ミノキシジルはどれに配合されているかなどの疑問に答えます。
育毛剤の容器タイプや塗り方の種類ごとの使い心地、購入方法の種類などについても説明します。
薄毛ケアを行う育毛剤と発毛剤、養毛剤は種類が異なる商品ですが、3者の違いを理解している人はあまり多くはありません。
育毛剤、発毛剤、養毛剤の特徴を種類別にまとめました。
商品 | 種別 | 成分と効果 |
---|---|---|
育毛剤 | 医薬部外品 | 有効成分配合 育毛 抜け毛の予防 |
発毛剤 | 第一類医薬品 | 医薬成分配合 発毛 AGAの治療 |
養毛剤 ヘアトニック ヘアローション |
化粧品 | 頭皮・毛髪を健やかに保つ |
育毛剤、発毛剤、養毛剤はいずれも頭皮や髪の毛のケアをする際に使うものですが、育毛剤は医薬部外品、発毛剤は医薬品と法律上の分類が異なり、配合成分や効果も種類ごとに違います。
一方で養毛剤は育毛剤や発毛剤とは違い、明確な定義のない種類です。
育毛剤の別名として使われていることもありますが、ここではヘアトニックやヘアローションなどと同種の化粧品の1つとして紹介しています。
育毛剤、発毛剤、養毛剤について、種類別にくわしくみていきましょう。
育毛剤は今ある髪の抜け毛を抑え、薄毛を予防する効果を期待できる種類の頭皮ヘア商品です。
育毛剤は厚生労働省認可の有効成分を配合していて、育毛促進や発毛促進、頭皮環境を整える目的で使用します。
発毛成分であるミノキシジルは医薬成分であり、医薬部外品である育毛剤に配合されることはありません。
育毛剤の効き目は比較的おだやかで、肌への負担も抑えられています。男女とも使える種類の育毛剤が多く、使用者の年齢に対する制限もあまりありません。
育毛剤は薬局やドラッグストア、通信販売を利用して購入できます。
編集部
育毛剤と見分けるコツ:商品名や成分表示を見て「医薬部外品」「薬用育毛剤」とあれば、育毛剤です。
発毛剤は毛のないところに毛を生やす効果を期待できるものです。薄毛の治療が可能で、AGA(男性型脱毛症、壮年性脱毛症)の進行を抑えることができる医薬品です。
ミノキシジルなど発毛効果の認められた医薬成分を含んでいて、頭皮に塗る外用薬のほかタブレット状の内服薬などの種類があります。
発毛剤は医薬品としての効果が期待できますが、副作用のリスクも大きくなります。未成年は基本的に発毛剤を使用できず、配合成分により女性の使用が制限されている発毛剤もあります。
皮膚科の処方を受けて購入するものと薬局やドラッグストアで市販されているものとがありますが、いずれの場合も購入時に薬剤師から説明を受ける必要があります。
編集部
発毛剤と見分けるコツ:商品名や成分表示を見て「医薬品」「第一類医薬品」とあれば、発毛剤です。
養毛剤、ヘアトニック、ヘアローションといった種類は一般的に髪や頭皮を健やかにする効果が期待できるもので、ドラッグストアやスーパー、バラエティショップなどで手軽に購入できます。
トニックやローションという言葉は液状のケア商品を意味していて、ヘアトニックやヘアローションは多くの場合髪を固める整髪力のない種類を指しています。
化粧品のヘアトニックやヘアローションに期待できる効果として、頭皮、毛髪にうるおいを与えること・毛髪にハリやコシを与えることなどがあります。
養毛剤は育毛剤と同じ意味で使われていることもありますが、パッケージに「薬用」「医薬部外品」と書かれていない場合は育毛剤ではなく、化粧品のカテゴリーに入ります。
編集部
化粧品の養毛剤・ヘアトニックなどを見分けるコツ:「薬用」「医薬部外品」「医薬品」といった言葉は書かれておらず、商品名とともに「化粧水」などと書かれていれば化粧品です。
ここからは抜け毛を予防し、育毛・発毛促進効果を期待できる育毛剤の種類に焦点を当てて解説していきます。
育毛剤は液状のものが多く、ボトルに入っていることがほとんどなのですが、容器の形状や材質の種類はさまざまです。
容器の形状に注目して見てみると、ノズルを採用している種類とノズルのない種類の育毛剤があります。
ノズルタイプの容器とは、育毛剤の出てくる口がノズル状に細長く伸びている種類です。ノズルは髪をかきわけて差し込むことができ、頭皮に直接育毛剤を届けることができます。
ノズルの向きがずれていると思った場所に育毛剤を塗布できない場合があるので、ノズルがどちらを向いているか注意して使ってください。
ノズルがなくスプレー穴が開いていて、プッシュして液剤を噴出させる種類の育毛剤が数多くあります。スプレーではなく、容器から直接育毛剤を垂らして頭皮に塗布する種類もあります。
ノズルのない容器の育毛剤は、比較的広い範囲の頭皮に液剤をつけられるという特徴があります。
ノズルがない育毛剤は髪が邪魔で頭皮に塗布しにくい場合があるのですが、プッシュすると育毛剤が一直線に飛び出る種類もあり、頭皮に育毛成分をしっかり届けることができます。
ガスが一緒に封入されているエアゾールタイプの育毛剤であれば、より勢いよく液剤を噴射します。
頭頂部などに使う場合、スプレー穴の位置を見失いやすいタイプもあるので、育毛剤の出る穴がどこにあるかを意識して使うようにします。
編集部
育毛剤の容器の素材は、プラスチック製や金属製などの種類があります。育毛剤の容器の多くはプラスチック製で、サイズや容器の形は多彩です。
金属製の缶の育毛剤の多くは、育毛剤とともにガスが封入されているエアゾール製品です。
育毛剤の付け方の種類について説明します。
頭皮に育毛剤を付ける方法はいくつかバリエーションがあり、種類に応じて使用感が異なります。
育毛剤の付け方の種類は、大きく分けて3種類です。
育毛剤の付け方の種類ごとに、特徴と使用感を説明します。
定量スプレータイプは1プッシュごとに決まった量を出すことができ、毎回一定の使用量を守って使い続けることができます。
液剤が噴出する勢いは商品によって違いがあり、一直線に育毛剤が出てくるものは頭皮に液剤がしっかり届きます。
頭皮に育毛剤が勢いよく当たることで、使用するたびにさっぱりとした爽快感を得られます。
エアゾールスプレータイプは容器に育毛剤とガスが封入されていて、プッシュするとガスの圧力により液剤が噴出するものです。円筒状の缶に入っていることが多く、ジェット噴射式・ジェットスプレー式とも呼ばれます。
定量スプレータイプよりもさらに勢いよく頭皮に液剤が噴射されるので、使用するとシャキッと目が覚めるような爽快感があります。
ダイレクトタイプは、容器の口を頭皮に押し付けることで育毛剤を塗布する種類で、ダイレクトタッチ、ダイレクトチャージなどとも呼ばれます。
少しずつ育毛剤が出るように工夫されていることが多く、頭皮の思った場所に直接液剤を付けることができます。
スプレータイプの育毛剤2種類とは異なり、液剤が頭皮にじんわり柔らかく当たるので、おだやかな使い心地です。
編集部
そのほか、容器を逆さにして直接頭皮に液剤をふりかけて付ける種類の育毛剤もあります。
育毛剤の多くは液体状ですが、テクスチャは商品ごとに多少違いがあります。
以下の育毛剤のテクスチャ3種類についてそれぞれ説明します。
テクスチャの種類が違うことで育毛剤の効果や使い方が大きく変わることはありませんが、液が垂れてしまうことやべたつきの度合いが種類ごとに異なるので、使い勝手に違いがあります。
育毛剤に多いのが、水のように粘度の低い液剤です。
チャップアップやポリピュアEX、プランテルEX、イクオスEXプラス、REDEN(リデン)などはいずれもサラっとしたテクスチャです。
サラサラとした育毛剤は、べたつきを感じることなく頭皮につけられます。
生え際などに塗布すると育毛剤が流れ落ちてくる場合もありますが、頭皮につけて指で揉みこめばすぐなじみ、気にならなくなります。
育毛剤のテクスチャには少し粘度のあるとろりとした種類もあります。
粘度の高い育毛剤は、頭皮につけても流れ落ちてくる心配が少ないことが特徴です。
M字部分やこめかみなどは育毛剤が垂れやすい部位ですが、粘性のある育毛剤であれば頭皮にとどまってくれます。
とろりとした育毛剤は使用の際にべたつきが気になる場合があります。べたつきが気になって髪や頭皮をさわってしまうと、清潔さを保ちにくくなってしまうことがあります。
育毛剤では珍しいタイプですが、ジェル状の種類もあります。
ジェルタイプの育毛剤は成分が頭皮から流れ落ちることなく密着します。育毛剤がすぐに蒸発することはなく、成分を持続的に頭皮に届けることができます。
ジェルタイプの育毛剤は、とろみのあるタイプと同様にべたつきなどが感じやすくなります。頭皮や髪を触ることが多いと不衛生になってしまうので、べたつきが気になってもあまり触らないように心がけてください。
育毛剤の種類によって、“生え際によく効く”とか“つむじの薄毛に効く”といった特定の脱毛症状に効き目があるということはありません。
育毛剤は有効成分の種類ごとに育毛・発毛促進、フケやかゆみを防ぐ・脱毛を予防するといった効果を期待できますが、生え際など薄毛が気になる部分だけでなく、頭皮全体に育毛剤を塗布するものが多くみられます。
基本的に育毛剤の作用は頭皮全体に働きかけるもので、「M字型脱毛に効果がある種類」「頭頂部の薄毛に効くおすすめの種類」といった育毛剤はないことを心にとどめておきましょう。
育毛剤の購入方法にもいくつかの種類があります。
ここでは、薬局やドラッグストアなど実店舗で購入できる育毛剤と、通信販売で購入する育毛剤について解説します。
薬局やドラッグストアで市販されている育毛剤は、その場で実物を見て購入でき、その日のうちに使用することができます。
ただし育毛剤の中には市販されておらず、通販でしか購入できない種類もあります。使ってみようと思っていた商品が店舗では購入できない場合もあります。
通販を利用すると、いつでも思い立った時にスマホなどから育毛剤を購入できます。育毛剤が届くのに何日か待つ必要があり、申し込み方法によって商品代金のほかに送料がかかります。
通信販売で購入する場合、さらに2種類の買い方を選べる場合があります。
育毛剤は毎日コツコツと薄毛ケアを続けていくことが大切です。育毛剤を定期購入すると、1ヵ月ごと、2カ月ごとなど定期的に育毛剤が届き、長期にわたっての薄毛ケアを続けやすくなります。
単発購入では有料だった送料が、定期購入すると無料になったり安価になったりするケースがほとんどです。
編集部
通販サイトにもいろいろな種類がありますが、育毛剤の定期購入は一般的に公式サイトの利用がおすすめです。キャンペーンを実施していることがあるほか、偽物の育毛剤を買ってしまうリスクを避けることができます。
育毛剤と発毛剤、養毛剤の種類について簡単にまとめました。
このうち抜け毛予防・薄毛ケアを行う育毛剤は、塗布の仕方や容器の形、テクスチャの違いなどによりさらに種類が分かれます。
育毛剤の種類により効果が大きく変わることはありませんが、付け方やテクスチャなどは使い心地に関わってきます。毎日気持ちよく育毛剤を使えるかどうかは薄毛ケアを続けていく上で見過ごせない条件です。
使いやすい種類、続けやすい種類の育毛剤を選んで、効果的な薄毛ケアをしていきましょう。