マンション売却で消費税はどれだけかかる?判断や計算の手順を解説

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不動産の売却プロセスでは取得費や登記費用など、さまざまなコストが生じ、それぞれについて消費税が課せられます。ただ、必ずしもすべての費用に対して消費税が課せられるわけではなく、条件によっては消費税が非課税になるなど、ルールが複雑になっている面があります。

これからマンションの売却予定があれば、消費税がかかるのかどうかと気になっている人は多いのではないでしょうか。マンションを売却するとなると高額な取引になるため、消費税がかかるかどうかで手元に残る金額が大幅に変わってきます。

ここでは、マンション売却で消費税がどれだけかかるか判断する手順、消費税がいくらかかるか計算する手順を確認していきます。

マンション売却について知りたい方は、「マンション売却について知ろう!売却の流れや相場情報、注意点を解説」の記事をご覧ください。

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マンション売却で消費税がどれだけかかるか判断する手順

マンション売却で消費税がどれだけかかるか判断するためには、以下3つの手順を踏む必要があります。

  1. 必須でかかる消費税を把握する
  2. 課税対象かどうか確認する
  3. 免税事業者かどうか確認する

手順1:必須でかかる消費税を把握する

仲介を依頼してマンションを売却する場合、条件に関わらず必須でかかる消費税をまずは把握しましょう。

必須でかかる消費税は以下の3つです。それぞれいくらくらいかかるかも、確認していきましょう。

  • 仲介手数料
  • 司法書士の成功報酬
  • 登録免許税・印紙税

仲介手数料

仲介手数料は、事業者によるサービス料金の一部であるため、消費税がかかりますが、交渉によっては手数料自体が割引される場合があります。不動産会社への仲介手数料は、法律によって一定の上限が定められています。販売価格が400万円を超える場合は「売却価格×3%+6万円」が上限となり、消費税が10%分加算されます。当然、物件の価格が高ければ高いほど、仲介手数料や消費税も高くなります。

不動産会社と専属専任媒介契約によって仲介契約を結ぶと、仲介手数料を割り引くことができるかもしれませんが、逆に物件が高額で売却されないリスクがあります。仲介方式によるマンション売却を行う場合は、仲介手数料の割引について交渉し、契約書に記載されている仲介手数料の水準と符合しているかどうかを確認してください。

なお、販売価格が高額な場合は、「売却価格×3%+6万円」のうちの6万円分が切り捨てられる場合があるため、不動産業者のほうから仲介手数料を請求される前に、積極的に交渉しましょう。いずれにしても、仲介手数料を値下げできれば、それに応じて消費税を下げることができます。販売価格だけでなく、仲介手数料や消費税も計算して、できるだけ黒字になるように不動産会社に根気よく交渉してみましょう。

司法書士の成功報酬

マンションを売却するにあたり、各種登記手続きや公的書類の提出を行う必要があります。その際に、それらの一部または全部を、専門家である司法書士に委託した場合は、一定の割合で成功報酬を支払う必要があります。

司法書士に支払う成功報酬も、原則として消費税の課税対象になります。ここでいう成功報酬とは、司法書士に不動産物件の抵当権抹消登記手続きを委託して、マンションが無事に売却できた時点で発生する報酬を表します。

不動産売買におけるコストの大部分は省略できないものですが、司法書士の成功報酬や不動産業者への仲介手数料に関しては、工夫次第でカットできます

登録免許税・印紙税

登録免許税と印紙税は、マンション売却における必須コストです。登録免許税は不動産登記手続きに必要なコストであり、数千円から数万円の単位のコストがかかります。土地と不動産を売買する場合は、売り手と買い手の両方が登録免許税を負担する必要があります。また、土地の取引においては、売主と買主の双方を登録者と呼びます。

登録免許税の基本的な計算方法は「基準課税額×税率」で、基準課税額には地価、借金額、販売数などが含まれます。また、登記の種類や原因により税率が異なり、一定の条件を満たした場合は特別なケースとして税率が引き下げられるため、計算式がやや複雑になります。登録免許税率は0.4~2%に設定されており、登記の種類によって総税負担が大きく変化する点に注意しましょう。

印紙税の消費税については非課税で、不動産登記に必要な公的書類に添付する収入印紙の額と等しく、取引の規模に応じて印紙税の金額も比例して引き上げられていきます。売却価格と印紙税の関係については、以下の通りです。

売却価格印紙税の金額
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円
5億円超10億円以以上20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円

手順2:課税対象かどうか確認する

続いて、「マンション売却価格にかかる消費税」に対して消費税がかかるか判断するために、課税対象かどうか確認する必要があります。

課税対象かどうかは、「個人」であるか「法人や個人事業主」であるかで判断出来ます。

個人は非課税対象

現行の法律上では、個人で所有する住居用のマンションを個人として売却する場合には、その売却益に対して消費税が課せられることはありません。個人が居住用として所有していたということが認められれば、非課税原則が適用されます。

個人所有の居住用マンションについて、非課税となっている理由については諸説ありますが、わかりやすい根拠としてコスト問題があげられます。仮に、個人所有の住居用マンションまで課税対象としてしまうと、個人では消費税分のコストを負担することが難しく、結果として不動産取引が促進されないということにもなりかねません。

このようなケースを回避するため、少なくとも個人で所有している居住用物件の売却益については、非課税と見なし、トータルコストを極力軽減しようという考え方があります。以上のような個人優遇の流れは、今後も当面つづくと見られており、マンション売却における消費税非課税も、維持されるだろうと考えられています。

法人や個人事業主は課税対象

一方で、現行の法律では事業用物件の売却費用については、原則として消費税の課税対象となると定められています。ここでいう事業とは、「一般の顧客に商品やサービスを提供し、一定の対価を得る」プロセスを表し、「マンションを賃貸やテナントとして貸し出す」という形態も、事業の範疇に含まれます。

つまり、個人で売却する場合でも居住用マンションではなく、投資用マンションを売却する場合は「個人事業主」という扱いになるため、課税対象となってしまいます。

また、契約上は居住用物件であっても、事業者として賃貸物件に改装し、入居者やテナントの募集を行った場合には課税対象として見なされます。かつては、このあたりのルールが曖昧でした。たとえば、居住用物件として登記を行いながらも、実際にはテナントビルとして活用し、月々の家賃や利用料を徴収することで利益を得るといったケースが横行していました。

不動産事業によって利益をあげることそのものは、もちろん違法ではありませんが、課税ルールの網の目をかいくぐるように利益を得ることは違法です。よって、政府のほうも段階的に規制を厳しくしてきたという経緯があります。

さらに、最近ではシェアハウスや民泊など、個人単位でも事業主として賃貸経営を行うケースが多様化しており、居住用物件と事業用物件を明確に区別することが、ますます難しくなってきています。このような流れのなかで、マンション売却の課税要件についても、まだ見直される可能性があるため、課税のルールについては個人でもこまめにチェックしておきましょう。

手順3:免税事業者かどうか確認する

手順2で課税対象となった場合でも、免税事業者である場合、「マンション売却価格にかかる消費税」は非課税になります。

マンション売却における免税事業者とは、2年前にさかのぼった場合の売上高が、実質的に1,000万円以下になる事業者のことです。免税事業者であると認められた場合には、売買における消費税が全面的に免除され、納付の義務もありません。

ただし、税法上、消費税の課税計算は2年遅れで行われることになるため、基本的には2年前の売上高を基準にして、課税額が算出される形となります。この「2年前ルール」が初心者にとってはわかりにくいようです。消費税については、「申告と納付のタイミングがずれている」ということをポイントとして押さえておく必要があります。

くわえて、ここで注意すべきなのが「考慮の対象となるのは課税売上高である」ということです。課税売上高とは物件の取得費など、売買に必要な経費を含めたうえでの売上高で、実質の売上高とは区別して考える必要があります。

免税事業者に該当する場合は、法人や個人事業主であっても、課税対象になりません。

まとめ
仲介手数料、司法書士の成功報酬、登録免許税・印紙税には、基本的にマンション売却で消費税がかかる。
マンション売却価格には、個人もしくは免税事業者は消費税がかからない。

マンション売却にかかる消費税を求める手順

マンション売却で売却価格に消費税がかかる場合、いくらかかるか把握するためには以下4つの手順で計算する必要があります。

  1. マンションの建物と土地の按分を確認する
  2. 建物部分の売却価格に消費税を掛け合わせる
  3. 課税制度を選択する
  4. 選択した課税制度に応じて消費税額を算出する

マンションの建物と土地の按分を確認する

まずは、マンションの売却価格のうち建物部分と土地部分の割合を求めます。これを、「按分」とも呼びます。

なぜなら、マンションで消費税が課せられるのは建物部分だけだからです。土地部分は非課税対象となるのです。

つまり、土地と建物をセットにして売り出す場合であっても、実際に消費税が課税されるのは、建物部分の評価額に対してだけということになります。

国税庁によると、建物と土地を按分する方法は3つあります。そのうち最も簡単な方法は、固定資産税評価額を基に按分することです。

固定資産税評価額は、毎年6月に市町村から送付される「固定資産税の決定通知書」を基に確認しましょう。

その後、土地部分・建物(家屋)部分それぞれの評価額を、以下の式に当てはめて建物部分の割合を求めます。

建物割合 = 建物の評価額 / (土地の評価額 + 建物の評価額)
たとえば、土地部分評価額が50,000円、建物(家屋)部分評価額が100,000円の場合、建物比率は2/3ということになります。

決定通知書を紛失した場合など、固定資産税評価額を調べる方法についてはマンションの固定資産税に関する記事をご覧ください。

建物部分の売却価格に消費税を掛け合わせる

建物と土地を按分して分かった建物部分の売却価格に消費税を掛け合わせましょう。

マンションの売却価格が3,000万円の時、建物比率が2/3であれば、建物部分の売却価格は2,000万円ということになります。

消費税は2020年12月現在10%であるため、建物部分の売却価格にかかる消費税は、2,000(万円)×10(%)=200万円ということになります。

課税制度を選択する

建物部分の売却価格にかかる消費税が算出されたら、適用する課税制度を選択します。

課税制度は、「原則課税」「簡易課税制度」のいずれかを選択する必要があります。基本は「原則課税」を用いることになるのですが、マンション売却を行った年の2年前の課税売上高が5,000万円以下の場合に限り「簡易課税制度」を選択することが出来ます。

簡易課税制度を使えば、仕入れ時に支払った消費税額をみなしの率で計算することが出来、納税額を少なく出来る傾向にあります。そのため、小規模事業者や個人事業主で課税売上高が5,000万円以下の場合は、簡易課税制度を選ぶことがおすすめです。

ただ、簡易課税制度を適用する際は、届出書を提出しておく必要があるため注意が必要です。

選択した課税制度に応じて消費税額を算出する

最後に、選択した課税制度に応じて消費税額を算出します。

簡易課税制度を選択した場合、下記の計算式で納付すべき消費税を算出出来ます。

納付すべき消費税額=マンション売却で買主から受け取った消費税ー(受け取った消費税×みなし仕入れ率)
建物部分の売却価格にかかる消費税額が、そのままマンション売却で買主から受け取った消費税になるため、ここでは200万円とします。
みなし仕入れ率は不動産業の場合40%として計算されるため、200(万円)×40(%)=80(万円)となります。

マンション売却の消費税の注意点

事業用マンションを売却する場合の消費税について考えるうえで、いくつかの注意点があります。消費税の例外も含め、具体的に把握しておきましょう。

納税義務の発生は2年後

税法上、事業用マンションの売却によって生じた消費税については、2年後の納付となります。したがって、不動産取引が発生した年の確定申告には特に影響しないため、人によっては「消費税については免除されたのでは」と思い込んでしまうかもしれません。

このように、マンション売却のような規模の大きな取引においては、納税義務の発生と実際の納付のタイミングがずれてしまう可能性があります。そのため、関連する公的書類は厳重に管理して、決して捨てないようにしましょう。

税金の内容は毎年変わる

国の法律の中でも税に関する法律は、特に変化の大きい領域であるといわれています。現に、不動産売買にまつわる課税要件についても、法の制定から現在までに改定が繰り返されてきました。

法律の改正によって最も影響を受けるのはやはり、課税範囲と課税額です。不動産売買はそもそもの取引規模が大きいため、仮に譲渡所得税の税率が1%引き上げられただけでも、トータルで見れば数百万円単位のコスト増になってしまう場合もあります。

現に、ここ数年の法改正の大まかな流れとしては、消費税などの細かいコストから引き上げていく、という流れになっており、昨年10月の消費増税以降、不動産売却にともなう消費税の課税負担も大きくなっています。

法改正のタイミングによって、トータルの売却コストが大きく変動しかねないので、マンションの売却を検討する前の段階から、こまめに不動産関連の法整備をチェックしておきましょう。特に、消費税については小幅な改正でも大幅な課税負担の増加につながるため、入念な情報収集が必要です。

マンション売却の消費税額は引き渡し時

マンション売却における消費税は、実際には物件の引き渡し時点を基準にして算定されます。初心者にとっては、些細な違いのように思われるかもしれません。

ただし、時間の経過とともに資産価値が大きく変動してしまう不動産取引では、売買契約から引き渡しまでの期間が空いただけでも、トータルの取引コストが著しく変わってしまうこともあります。

現状の売却物件

不動産物件の資産価値は、物件の購入時ではなく、あくまでも引き渡しの時点での状態を基準にして算出されます。たとえば、不動産業者の売却活動が予想以上に長引き、業者への委託から売買契約の締結までに物件が著しく劣化した場合は、最悪、売買契約そのものが破談に終わってしまう可能性もあります。

そのようなことにならないように、スピーディに売却活動を行ってくれる優秀な不動産業者をピックアップして、一連の売却プロセスを最短のスパンで終わらせる必要があります。

相性の合う不動産業者をリサーチするツールとしては、一括査定サイト「すまいステップ」がおすすめです。すまいステップでは、全国各地の不動産業者や不動産物件をデータベース化しています。そのため、ピンポイントな検索条件によって、取引のパターンに合わせた最適な不動産業者をピックアップすることができます。

マンション売却時の消費税を理解しよう

個人として所有している居住用物件を売却した場合は、原則として消費税の課税対象とはなりません。一方、事業用マンションの売却については消費税の課税対象となり、さらに、物件の所有状況や事業者の属性によっても最終的な税率が変わってきます。

印紙税や登録免許税など、消費税の課税対象となり得るコストについても把握して、マンション売却にかかるトータルコストをシミュレーションしましょう。

もっと詳しく知りたい方は、 「マンション売却にかかる諸費用とは?節約してお金を手元に残そう」 の記事をご覧ください。
また、 「マンション売却を失敗しないコツ!注意すべきポイントと失敗例」 という記事もご覧ください。
他にも以下の記事をご参考にしてみてください。

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