老人ホームの費用が払えないとどうなる? 解決法や予防策を紹介
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ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、多数のメディア編集業務に従事。その後、ファイナンシャルプランナー2級の資格を取得。FPとしての専門知識を活かし、カードローン、FX、不動産、保険など様々な情報におけるメディアの編集・監修業務を行ない、これまで計2000本以上の担当実績を誇る。ローン審査経験者などのインタビューなども多数行ない、専門知識と事実に基づいた信頼性の高い情報発信を心がけている。
この記事の目次
期間が決まっていない介護では、いつまでお金が続くだろうかと考えることもあるでしょう。
特に大きな出費になりがちな老人ホームの費用は、最後まで払えないのではないかと不安になってしまうかもしれません。
今回は、老人ホームの費用が払えなくなった場合に起きることや、解決策について解説しました。
資金を工面するための具体的な仕組みや制度も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
老人ホームの費用が払えない際に起こる2つのこと
すでに老人ホームに入居している人が費用を払えなくなった場合、以下の2通りのケースが考えられます。
老人ホームの費用が払えない場合
- 本人が払えなくなった場合は身元引受人に請求される
- 身元引受人も払えない場合は一定期間を置いて退所になる
本人が払えなくなった場合は身元引受人に請求される
本人が老人ホームの費用を負担しており、払えなくなった場合は、配偶者や子など、身元引受人に請求されます。
身元引受人とは、費用の支払いや本人が亡くなった際の残置物撤去などに責任を負う人のことです。
滞納した分の費用は一括払いを請求されるのが一般的なので、支払いが難しい場合は身元引受人が分割払いの交渉をしなければなりません。
身元引受人も払えない場合は一定期間を置いて退所になる
身元引受人も支払いができない場合は、3〜6カ月の猶予期間を置いてから強制的退所が求められます。
ただし、この猶予期間は施設により幅があり、1〜2カ月など短い場合もあります。
入居時の契約書や重要事項説明書に記載されるのが一般的ですが、わからない場合は施設のスタッフに確認してください。
老人ホームの費用が払えなくなった場合の解決方法
老人ホームの費用が払えなくなった場合でも、前述のように即日退所が求められるわけではありません。とはいえ、退所までの期間が限られるのも事実です。
限られた期間の中で最善の対処ができるよう、以下の解決方法を取り組みましょう。
老人ホームの費用が払えなくなった場合の解決方法
- 施設スタッフやケアマネジャーに相談する
- 不足している金額を借入する
- 公的な支援制度を活用する
- より定額の老人ホームに転居する
- 自宅での介護を検討する
- 生活保護を受ける
施設スタッフやケアマネジャーに相談する
費用の支払いが難しくなった場合、まずは施設スタッフやケアマネジャーに相談しましょう。
ケアマネジャーとは、介護を必要とする人が介護保険サービスを利用できるよう、計画書の作成や事業者との調整をおこなう介護のスペシャリストです。
両者ともさまざまなケースに対して経験が豊富なため、利用料の支払い延期・分割など、最初に取り組みやすい解決策を提示してくれるはずです。
他にも、より低額で利用できる施設の紹介をおこなう仲介業者や、公的支援制度を利用する際の制度の案内・手続きのサポートをしてくれる場合もあります。
不足している金額を借入する
自宅の売却代金が入金されるまでの期間や家族の再就職を待つ間など、一時的に資金が不足している場合は、以下のように借入する方法もあります。
●不足している金額を借入する方法
- | 介護ローン | カードローン |
---|---|---|
使途 | 介護費用のみ (医療費は対象外) |
自由 (事業性資金以外) |
金利 | 年3.0%〜8.0%程度 | 銀行:年1.5%〜15.0%程度 消費者金融:年18.0%前後 |
申込条件 | ・年齢要件の充足 ・安定した収入 ・介護対象が本人または親族 など |
・年齢要件の充足 ・安定した収入 など |
融資時間 | 2日〜2週間程度 | 最短即日~1週間程度 |
メリット | ・比較的金利が安い | ・使い道が原則として自由 |
デメリット | ・使い道が介護費用に限られる | ・比較的金利が高い |
介護ローンを利用する
介護費用のみが必要なら、介護ローンを利用する選択肢があります。
介護ローンとはその名の通り介護専用のローンで、銀行などの金融機関で取り扱われている個人融資サービスです。
本人やその家族が介護費用に充てる場合に限り借入でき、年3.0%〜8.0%程度と比較的低金利です。
ただし、融資してもらうには年齢や年収などの金融機関が定める条件を満たさなければならず、他のローンのように安定した収入がある点も考慮されます。
また、使い道として認められる介護費用に、医療費は含まれない場合もあります。
病気やケガなどで医療サービスを利用した場合には、介護ローンの借入金が利用できない可能性もあるので気をつけてください。
●介護ローンの例
ローン名 | 適用金利 | 融資限度額 | 備考 |
---|---|---|---|
UI介護ローン | 年1.9%~年5.9% | 50万円~500万円 | 保険付きローンも選択可能 |
ちばぎん介護ローン | 年5.0%~年5.3% | 最大500万円 | 担保や保証人不要で 最長10年利用可能 |
カードローンを利用する
借入の方法として、カードローンも検討できます。
カードローンも介護ローンと同様、金融機関で提供される個人融資サービスです。
銀行カードローンで年1.5%〜15.0%程度、消費者金融で年18.0%前後と金利には幅がありますが、事業性資金以外なら使い道が自由な点は大きなメリットです。
介護・医療費はもちろん、介護に関する出費が生活を圧迫した際など、あらゆる場面で活用できます。
金融機関によって差があるものの、銀行カードローンは2日〜1週間程度、消費者金融なら最短即日で借入できるのも特徴です。
他の解決方法よりも早く資金不足を解消できる可能性が高いので、「今月の支払いにどうしても間に合わない」「あと1週間あればお給料が入るのに」といった一時的な資金不足への対処として検討してください。
●カードローンの例
会社名 | 金利(実質年率) | 利用限度額(融資額) |
---|---|---|
アイフル | 3.0~18.0% | 800万円 |
アコム | 3.0~18.0% | 800万円 |
プロミス | 4.5~17.8% | 500万円 |
レイク | 4.5~18.0% | 500万円 |
SMBCモビット(詳細) | 3.0~18.0% | 800万円 |
公的な支援制度を活用する
介護ローンなどの借入より多少時間がかかりますが、公的な支援制度を活用する方法もあります。
制度が適用されれば負担が大幅に軽減される可能性もあるため、条件に合うものがないか確認しておきましょう。
制度の種類
- 特定入居者介護サービス費
- 高額療養・高額介護合算制度
- 介護保険料減免制度
特定入居者介護サービス費
特定入居者介護サービス費とは、厚生労働省が提供する低所得者向けの介護保険サービスです。
所得や資産が定められた基準(基準費用額)を下回る場合、負担限度額を超えた部分の居住費・食費が支給されます。
負担限度額認定を受け、認定証を施設に提示すれば制度が適用される仕組みです。
適用対象者は3段階の設定区分に分けられ、区分に応じた負担限度額が適用されます。
設定区分 | 対象者 | 預貯金額(夫婦の場合) |
---|---|---|
第1段階 | 生活保護を受給している人など | 要件なし |
〃 | 世帯全員が市町村民税非課税で、老齢福祉年金受給者 | 1,000万円(2,000万円) |
第2段階 | ・世帯全員が市町村民税非課税 ・本人の公的年金収入額(非課税年金も含む)+その他の合計所得金額が80万円以下 |
650万円(1,650万円) |
第3段階① | ・世帯全員が市町村民税非課税 ・本人の公的年金収入額(非課税年金も含む)+その他の合計所得金額が80万円超〜120万円以下 |
550万円(1,550万円) |
第3段階② | ・世帯全員が市町村民税非課税 ・本人の公的年金収入額(非課税年金も含む)+その他の合計所得金額が120万円超 |
500万円(1,500万円) |
設定区分ごとの負担限度額から、実際にいくら支給されるかを確認してみましょう。
●居住費(多床室)の場合
設定区分 | 生活に必要な基準額(基準費用額) | 利用者の負担限度額 | 支給される最大額 |
---|---|---|---|
第1段階 | 855円 | 0円 | 855円 |
第2段階 | 855円 | 0円 | 855円 |
第3段階① | 855円 | 370円 | 485円 |
第3段階② | 855円 | 370円 | 485円 |
なお、居住費は多床室の場合です。ユニット型個室や従来型個室の負担限度額は厚生労働省のホームページで確認してください。
高額医療・高額介護合算制度
高額介護医療・高額介護合算制度とは、同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険に自己負担が生じた場合に合算後の負担額が軽減される制度です。
収入に応じて定められた上限額(年額)を500円以上超えた場合に、医療保険者に申請すると支給されます。
●負担上限額(年額)
年収 | 負担額 | 備考 |
---|---|---|
年収1,160万円 | 212万円 | - |
年収約770〜約1,160万円 | 141万円 | - |
年収約370〜約770万円 | 67万円 | - |
〜年収約370万円 | 56万円~60万円 | 70歳以上は「56万円」 70歳未満は「60万円」 |
市町村民税世帯非課税など | 31万円~34万円 | 70歳以上は「31万円」 70歳未満は「34万円」 |
市町村民税非課税かつ年金収入80万円以下など (本人のみ) |
19万円~34万円 | 70歳以上は「19万円」 70歳未満は「34万円」 |
市町村民税非課税かつ年金収入80万円以下など (介護利用者が複数) |
31万円~34万円 | 70歳以上は「31万円」 70歳未満は「34万円」 |
支給には2年間の時効が定められていますが、一度申請すれば該当するごとに支給されます。
介護保険料減免制度
一定の条件を満たせば、40歳を超えてから支払うことになる介護保険料の減免制度も活用できます。
ただし、条件は各市区町村により異なるため確認が必要です。たとえば、東京都江東区では以下の7つのすべてに該当すると定めています。
介護保険料の減免を受けられる条件
- 介護保険保険料の段階が、第1段階※1、第2段階、第3段階の人
- 前年の収入が1人世帯で150万円以下の人※2
- 預貯金などの資産が1人世帯で350万円以下の人※3
- 住居以外に不動産を所有していない
- 住民税を課税されている親族と同一住居内に居住していない
- 特別養護老人ホームなどの介護施設に入所していない
- 介護保険料を滞納していない
※1.生活保護受給者を除く
※2.世帯構成員が1人増加するごとに50万円を加算
※3.世帯構成員が1人増加するごとに100万円を加算
●介護保険料の保険料段階
保険料段階 | 減額前(年額) | 減額後(年額) |
---|---|---|
第1段階 | 20,880円 | 17,400円 |
第2段階 | 27,840円 | 24,360円 |
第3段階 | 45,240円 | 41,760円 |
保険料の減額を受けたい場合は事前に連絡のうえ、以下を持参して区役所介護保険課へ申請します。
介護保険料減免申請の必要書類
- 保有するすべての預金通帳などのコピー
- 健康保険証など
- 個人番号確認書類
- 本人確認書類
詳しくは、お住まいの市区町村ホームページなどで確認しましょう。
より低額の老人ホームに転居する
今後も継続して支払いが困難になると予想される場合は、特別養護老人ホームなど、より低額の老人ホームへの転居も考えましょう。
ただし、公的施設である特別養護老人ホームは利用希望者が多く、待機期間が長くなる可能性があります。早めに情報収集を始め、待機期間や手続き方法などについて確認してください。
施設を探す場合は、以下の優先順位を参考にすると良いでしょう。一般的に費用が低額になりやすい順番で並べたものです。
より費用が安い施設を探す際の優先順位
- 特別養護老人ホームなどの公的施設
- サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム・ケアハウス
- 費用が安い民間の老人ホーム
中でも、以下の条件に当てはまる施設は希望者が少ない場合が多く、待機期間が短くなりやすい傾向にあります。
希望者が少ない施設の条件
- 駅から遠いなどアクセスが良くない
- 多床部屋(相部屋)がある
- 築年数が経過している
また、転居の際の入居費用には、入居中の施設の初期費用の一部が当てられるかもしれません。
初期費用として払ったもので、まだ未償却期間が残っているものは返還してもらえる可能性が高いからです。
自宅での介護を検討する
金銭的な理由で老人ホームの利用が難しくなってしまった場合は、自宅での介護も検討してください。とはいえ、すべてを本人や家族の力だけで解決する必要はありません。
居住費と食費がかからないデイサービスやショートステイなどを併用すれば、金銭的な負担を軽減しつつ、介護サービスの力も借りられます。
自治体によっては、介護の負担が大きい世帯の生活を支える独自の助成制度が設けられている場合もあります。
たとえば東京都江戸川区には、「熟年者激励手当」が設けられています。
要介護者の福祉の充実を目的とした制度で、以下のすべての条件を満たせば年間18万円が支給される仕組みです。
東京都江戸川区の「熟年者激励手当」の対象者
- 60歳以上で江戸川区に住民登録があり、江戸川区に在住の人
- 介護保険の要介護認定4または5で在宅の人
- 本人及び本人と住民票の世帯を一にする世帯全員が住民税非課税の人
ただし、今後介護度が進行すれば、自宅での介護が難しくなるタイミングも訪れるかもしれません。
金銭的な負担が軽いうちに、将来の介護施設入居に備えて資金面の目処を立てておきましょう。
生活保護を受ける
頼れる家族がおらず自分の年金のみで生活している場合など、他に手段がなくなってしまった場合は、生活保護の受給を検討することになります。
ただし、生活保護を受給すればさまざまな制約を受けるため、最終手段と考えてください。
生活保護で受給できる金額の範囲内で入居できる施設もあるので、市区町村の生活支援担当窓口やケアマネジャーなどに相談してみましょう。
お金の相談だけでなく、今の状況に合った施設やサービスの紹介もしてくれるはずです。
老人ホームの費用が払えなくなってしまう原因
まだ老人ホームを利用してはいないものの、費用が払えなくなるのを心配している人もいるでしょう。
そのような状況に陥らないためには、まずは費用が払えなくなる原因を知っておくのが大切です。以下のような原因で老人ホームの費用が払えなくなる可能性が高いでしょう。
老人ホームの費用が払えなくなってしまう原因
- 本人や家族の所得が減少した
- 介護度の進行で自己負担額が多くなった
- 本人に頼れる家族がいない
本人や家族の所得が減少した
不動産の賃料収入や投資の配当金などが減少した場合、費用の支払いが難しくなるでしょう。
自宅の売却益など、見込んでいたお金が入らなくなる場合もあるかもしれません。これは本人だけでなく、家族が入居者に金銭的な援助をしている場合も同様です。
失業や転職などで家族の収入が減少すれば、やはり費用の負担が難しくなります。
介護度の進行で自己負担額が多くなった
入居当初よりも介護度が進行し、介護にかかわる自己負担が大きくなる可能性があります。
公的支援が受けられるケースもあるとはいえ、介護にかかわるすべての費用が支給対象になるのではなく、配食サービスや福祉用具の購入は自己負担です。
生活の中でできないことが増えれば、支給対象外の支出も増えてしまいます。
本人に頼れる家族がいない
本人に身寄りがなく、支えてくれる家族がいないために支払いが難しくなるケースもあります。
費用の支援が期待できないだけでなく、本来は家族に任せることもできる日常の洗濯や買い物などにもお金を使うことになれば、さらに出費がかさむからです。
子どもがいても、一人っ子の場合など、支える家族の人数が少なければ負担が大きくなりやすいでしょう。
そもそも老人ホームには毎月いくらかかるのか?
ここまで、費用が払えなくなる原因や解決方法を解説してきましたが、そもそも老人ホームの費用がいくらかかるのかがわからない人もいるかもしれません。
費用は施設の種類ごとに異なり、月額5万円程度〜30万円程度と、ばらつきがあるのが実情です。
施設の種類 | 月額の目安 | 初期費用 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 5〜15万円 | 無料 |
グループホーム | 15〜20万円 | 無料〜数十万円 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 10〜30万円 | 無料〜数十万円 |
ケアハウス | 10〜30万円 | 数十万円〜数百万円 |
住宅型有料老人ホーム | 15〜30万円 | 無料〜数百万円 |
施設によっては月額以外に初期費用もかかります。
これから入居を検討する人は「入居時にいくら用意すれば良いのか」「入居を希望する期間中にいくらかかるのか」など、あらかじめ見積もりを出してもらうと良いでしょう。
老人ホームの費用を用意する方法
老人ホームにかかる費用がわかったら、介護費用に充てる資産を作りましょう。あらかじめ費用を用意しておけば、金銭的・精神的にかなり負担が軽くなるはずです。
老人ホームの費用を用意する方法
- リバースモーゲージで借入する
- リースバックで自宅を売却する
- マイホーム借り上げ制度を利用する
- 生活福祉資金(長期生活支援資金)で借入する
リバースモーゲージで借入する
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして金融機関から借入する制度です。本人が死亡した際には自宅が売却され、元本の返済に充てられます。
借入のため利息はかかりますが、自宅の所有権を手放すわけでないので、家族が住む場所を失うことはありません。
また、自宅の評価額によっては、毎月の返済が不要な場合もあります。
りそな銀行なら年金だけでも利用可能
りそな銀行のリバースモーゲージなら、収入が年金しかない人でも利用可能です。また、利息のみの支払いだけで契約し続けられるので毎月の負担を軽減できる特徴を持ちます。
ただし、利用する際は、担保が必要となることは注意しましょう。
リースバックで自宅を売却する
家族がいないなど、自宅の所有にこだわらなければリースバックを検討しても良いでしょう。
リースバックとは、いったん自宅を売却し、賃貸契約を結んで売却した自宅に住み続ける仕組みです。
家賃の支払いが発生するものの、一度にまとまった資金が得られるので、老人ホームの費用を工面するのにふさわしい方法です。
マイホーム借り上げ制度を利用する
マイホーム借り上げ制度は、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(JTI)が自宅を借り上げて転貸する制度です。
以下の家の条件を満たす50歳以上なら誰でも利用できます。
50歳以上の人の家の条件
- 単独所有、または共同所有する日本国内にある住宅
- 建物診断(耐震・劣化診断)が実施されている住宅
- 診断の結果、必要になった工事がおこなわれている住宅
- 居住用の住宅
所有者は自宅の所有権を手放すことなく、賃料収入を得られるのが魅力です。最初の入居者が決まれば、その後は空室期間中でも賃料収入は途絶えません。
自宅が賃貸可能な状態である限りは一生涯利用できるので、老後の安定収入として期待できるでしょう。
不動産担保型生活資金で借入する
不動産担保型生活資金は生活福祉資金貸付制度のひとつで、国がおこなうリバースモーゲージのようなものです。
今後も住み続ける予定の自宅を担保とし、土地の評価額の70%程度までを生活資金として借入できます。
融資対象になるのは、以下のいずれかに該当する世帯です。
不動産担保型生活資金の融資対象
- 申込者単独、または同居の配偶者と共同で所有する不動産に居住していること
- 不動産に賃借権、抵当権が設定されていないこと
- 配偶者または親以外の同居人がいないこと
- 世帯の構成員が原則として65歳以上であること
- 市町村民税の非課世帯程度であること
各都道府県の社会福祉協議会が窓口になっているので、融資対象にあたる人は一度相談してみても良いでしょう。
介護に困らないために今からできる対策
まだ介護に困っていない人は、将来の負担が軽くなる対策を少しずつおこないましょう。
早くから対策するほど、取り組みの効果は大きくなります。将来困らないために、以下の対策に取り組んでみてください。
将来のためにできる4つの方法
- 健康の維持に努める
- 家計を改善し資産運用に挑戦する
- ライフプランを作成しておく
- 介護費用の負担を抑える工夫をする
健康の維持に努める
まずはできる限り長く、現在の健康状態を維持できるよう努めましょう。
健康に年を重ねることで介護状態の期間が短くなれば、介護に必要な費用も減るはずです。最近は、簡単に健康管理ができるアプリなども登場しています。
食事管理アプリで栄養の偏りが少ない食事をしたり、歩数記録アプリで目標の歩数を達成し続けたりすれば、生活習慣を原因とする体調の悪化を予防できるでしょう。
家計を改善し資産運用に挑戦する
家計を改善し、資産運用に挑戦するのも選択肢のひとつです。まずは家計簿をつけ、毎月の出費から無駄をあぶり出していきます。
特に入念な家計の見直しが必要なのが、家賃やスマートフォンの通信料金などの固定費です。
固定費の額が大きいと毎月の出費が大きくなってしまうので、以下のポイントを参考に、よりコンパクトな家計を目指しましょう。
固定費見直しのポイント
- 家賃の交渉をおこなう、または家賃の安い物件に引っ越す
- スマホは格安SIMを検討する
- より料金の安い電力会社・ガス会社を探す
- 生命保険の保障内容が過剰でないか見直す
- 不要なサブスクに加入していないか確認する
そして、浮いたお金で資産運用への挑戦も検討してみてください。資産運用にはリスクがつきものですが、ある程度の時間をかければ少しずつ利益が積み重なる可能性があります。
100円程度で始められる投資信託など、取り組みやすいものから始めるのがポイントです。
ライフプランを作成しておく
早い段階からライフプランを作成し、自分が利用できそうな介護サービスの目星をつけておきましょう。
現状の収入や貯蓄のペースからシミュレーションすれば、介護が必要になりそうな年齢での、ある程度の資産額はわかるものです。
介護に充てられる資産が少ないのであれば、介護サービス利用の計画を変更するか、資産を増やす努力をしなければなりません。
年齢によっては転職や昇給を目指すなど、収入を上げる努力もできるでしょう。
介護費用の負担を抑える工夫をする
老人ホームに入所する際にも、介護費用の負担を抑える工夫ができる場合があります。たとえば、初期費用の支払いは、分割ではなく一括で支払ったほうが負担を抑えられる傾向があります。
できるだけ一括で支払いできるよう、まとまった資金を用意しておくと良いでしょう。
初期費用がない施設を選べば良いと思われがちですが、その分月額費用が高めに設定されている場合もあります。「10年入居したら1,200万円かかる」など、具体的な期間で費用を計算し、複数の施設で比較してください。
また、家族の助けが期待できる場合は、無理のない範囲で日常の洗濯や買い物などを手伝ってもらいましょう。
利用するサービスを絞れば、その分金銭的な負担が軽くなります。
まとめ
今回は、老人ホームの費用が払えなくなった場合に起きることや、解決策について解説しました。
費用が払えないからといってすぐに居場所を失うことにはなりませんが、限られた時間で何かしらの解決策を講じなければなりません。なるべく早めに施設スタッフなどのプロに相談し、一時的な資金不足は借入などで乗り切りましょう。
その後は公的な支援制度をはじめとした、介護費用の負担を軽減するさまざまな仕組みの活用も検討してみてください。
まだ介護が目前に迫っていない人なら、健康の維持や資産運用への挑戦など、事前の対策も可能です。
-
社名:新生フィナンシャル株式会社
登録番号:関東財務局長(10) 第01024号 日本貸金業協会会員第000003号
電話番号:0120-09-09-09
貸付条件
貸付利率:4.5%~18.0%(年率)
※貸付利率はご契約額およびご利用残高に応じて異なります。
融資限度額 :1万円~500万円
返済方式:残高スライドリボルビング方式・元利定額リボルビング方式
必要書類:運転免許証等
※収入証明(契約額に応じて、新生フィナンシャルが必要とする場合)
返済期間・回数: 最長5年・最大60回
※融資枠の範囲内での追加借入や繰上返済により、返済期間・回数は変動します。
利用対象:満20歳~70歳(国内居住の方、日本の永住権を取得されている方)
収入条件:安定した収入のある方(パート・アルバイトで収入のある方も可)
遅延損害金: 20.0%(年率)
担保・保証人: 不要
※ご契約には所定の審査があります。貸付条件を確認し、借入と返済のバランスを考えて計画的に利用しましょう。
無利息に関して
・Webで初めてお申込みで60日間無利息
・初回契約翌日から無利息適用となります
・無利息期間経過後は通常金利適用となります
・Web以外の無人店舗やお電話で申込むと、お借入額全額30日間無利息またはお借入額5万円まで180日間無利息のどちらかになります。
※60日間無利息(Webでのお申込み限定)、180日間無利息それぞれ契約額1~200万円まで。
※30日間無利息、60日間無利息(Webでのお申込み限定)、180日間無利息それぞれの併用はできません。
ファイナンシャルプランナー|村上敬
医療保険者とは
医療保険者とは、医療保険事業を運営する団体のことです。国民健康保険の場合は市町村または各国保組合、後期高齢者医療制度の場合は都道府県に設置されている後期高齢医療連合が窓口になります。