平凡社 世界大百科事典

バーサ

フィンランド中西部,ボスニア湾に面した海港都市。人口5万7998(2007)。スウェーデン語を母語とする者が29.2%(1970)いる。この地方の中心だったムスタサーリの町を,スウェーデン王カール9世が1611年自分の王家の名であるバーサに改名させた。年8.5mmという急速な隆起で港が浅くなり困っていたところ,1852年大火があり,それがきっかけで約6km離れた現在地に移転した。大火の経験から,広い並木道が縦横に走っている。近年は各分野の工業が発達しているが,なかでも金属と機械工業が盛んで,この国を代表する企業がある。

荻島 崇
平凡社 世界大百科事典

バーサ

古代インドのサンスクリット劇作家,詩人。生没年不詳。伝記,年代ともに不明であるが,劇作家としての名声は早くから文壇に知られ,詩聖カーリダーサ(4~5世紀)が先輩としてバーサの名を挙げていることなどから,3世紀ころの作家と推定される。バーサの作品はその名声にもかかわらず久しくわれわれの前に示されなかったが,1910年南インドのトラバンコールにおいて,彼の作品と推定される13種の戯曲が発見された。これらの戯曲が同一作家の作品であることは推測できるが,しかも一つとしてその中にバーサの作であることを記していない。果たしてその全部あるいは一部がバーサの真作であるか否かは確言できないが,少なくとも初期のサンスクリット古典劇の逸品であることはまちがいがなく,とくに史劇《スバプナバーサバダッターSvapnavāsavadattā》と《プラティジュニャー・ヤウガンダラーヤナPratijñā-yaugandharāyaṇa》は傑作と認められる。

田中 於莵弥