平凡社 世界大百科事典

マフディー派

19世紀東スーダンに成立した教団。成員はスンナやタフシール(コーラン注釈)に関する書物を焼き,コーラン,ラーティブ(ジクル集),マジュリス(マフディーのスンナ)を重視し,礼拝,ジハード,神の命令への服従,信仰告白,コーラン読誦,ラーティブ読誦をもって六柱とした。

 85年にマフディーが死ぬと,カリフ,アブド・アッラーフ・ブン・ムハンマド`Abd Allāh b.Muḥammad(1846ころ-99)がこれを率いたが,98年同国家はイギリス軍に滅ぼされた。以後,教団は革命的性格を失い,しだいに親英的立場に移行したが,エジプトとの統合に反対してスーダンの独立を求めるウンマ党の基盤となり,ミールガニー派(ハトミーヤ)と対立しつつ政治的影響を保持した。マフディーの子孫が教団のイマーム,ウンマ党党首となったが,1970年軍事政権下で弾圧され,同年イマームの暗殺後はイマームを置いていない。

板垣 雄三