平凡社 世界大百科事典

氾濫原

河川のはんらんによって運ばれた未固結の堆積物によって構成されている低地。広義には,扇状地,三角州,谷底平野など河成の沖積平野のすべてを指すが,狭義には,蛇行河川の側方移動に伴う谷壁の浸食と河川運搬物質の堆積によって形成された谷底平坦面を指す。蛇行河川では湾曲部の外側において流速が速く,内側において流速が遅いため,外側において浸食作用が,内側において堆積作用が卓越する。その結果,河道は次第に側方に移動して谷壁を刻み,谷幅を広げると共に,谷底には砂やシルトなどのはんらん原堆積物が堆積してはんらん原が形成される。

 はんらん原上には,蛇行切断によって形成された三日月湖,はんらんによって形成された河岸の微高地である自然堤防,自然堤防と谷壁との間に形成された後背湿地などのほか,蛇行河道の凸岸側に発達する蛇行州(ポイントバー)やはんらん原堤またはメアンダースクロール,はんらん原堤とはんらん原堤とにはさまれたはんらん原濠などの地形が認められる。このような地形が良好に発達するはんらん原は各地にみられるが,特に,ミシシッピ川やミズーリ川などの例が代表的である。日本では石狩川下流部や天塩川下流部などに顕著に発達している。

海津 正倫