平凡社 世界大百科事典

孫過庭

中国,唐代の書家。字は虔礼。富陽(浙江省富陽)の人とも,陳留(河南省陳留)の人とも,呉郡(江蘇省)の人ともいう。右衛冑曹参軍,率府録事参軍などの官に就いた。40歳のころ仕官したが,讒言(ざんげん)によってしりぞけられ,不遇のうちに洛陽植業里の客舎で没した。博学で文名もあったが,とくに王羲之,王献之を学んで草書をよくした。著に《書譜》があり,六朝以来の書論に基づいて,唐代古典派の書論を確立した。その真跡本が伝存する。

杉村 邦彦