平凡社 世界大百科事典

俗離山

韓国,忠清北道報恩と慶尚北道尚州の境の小白山脈上の天皇峰(1057m)を主峰に,毘盧峰,観音峰,文蔵台,立石台の秀峰から成り,〈小金剛〉と畏敬されている聖山。山内には名刹法住寺が鎮座する。俗離山の名は,新羅時代一人の農夫が,くじけがちな自分の信仰心を牛にも劣るとくやみ,ついに髷を切り落とし俗世を離れ,この山にこもって僧となったことにちなむといわれている。山中には李朝の世祖王が国運の隆盛と病気の快癒を祈った福泉庵の泉や沐浴沼などの薬水がある。鶏竜山などとともに元来朝鮮民族の固有信仰〈光明の世界〉を表す〈プル山〉の一つである。

依田 千百子