平凡社 世界大百科事典

スフェノフィルム

有節類の楔葉目に属する絶滅シダ植物の1属。デボン紀後期に出現し,三畳紀後期まで生き残ったが,全盛期は石炭紀から二畳紀にかけた古生代後期で,汎世界的に広く分布した。小型の草本性植物で,茎枝ともに明らかな節間に分かれており,枝の先端に胞子囊穂をつける。茎はトクサ類のように中空になることはなく,そのため中心柱は髄がなく中心を占める正三角形の初生木部とそれをとりまく後生木部とからなる。節に輪生するくさび形の葉は通常は6枚で,トクサ類のように癒合して葉鞘(ようしよう)を作ることはない。欧米植物群では石炭紀に栄えたが,東アジアのカタイシア植物群では二畳紀に栄えてより分化し,葉が円形に配列し脈が直走するスフェノフィルム,脈が外側に湾曲するパラスフェノフィルムParasphenophyllum,葉が3対生し脈が直走するトリジギアTrizygia,脈が外側に湾曲するパラトリジギアParatrizygiaの4属に分かれた。日本では宮城県米谷(まいや)二畳系からパラスフェノフィルム,トリジギア,パラトリジギアの3属の葉が報告されている。

浅間 一男
図-東アジアで発展した楔葉類
図-東アジアで発展した楔葉類