平凡社 世界大百科事典

アオバト

ハト目ハト科の鳥。全長約33cm。羽色は上面はやや暗い緑色で,顔から胸は明るい緑黄色,腹は白っぽい。雄は翼の雨覆羽が赤褐色をしている。くちばしは青色で,脚は暗赤色。日本,中国南部,台湾,ベトナム北部に分布し,山地の広葉樹のよく茂った林にすむ。日本では北海道から九州までで繁殖し,北方のものは冬季には南へ渡る。四国,九州などでは冬に多く見られる。餌はほとんど植物質で,木の実,草の種子などである。塩分の補給のために,海岸に出て磯で塩水を飲む習性がある。近縁種のズアカアオバトS.formosae(英名red-capped green pigeon)は,屋久島,種子島以南の南西諸島の森林に生息し,個体数は多い。この鳥はポー,ポー,ペポーと尺八の音によく似た声を出すので,シャクハチバトという別名がある。

柳沢 紀夫